障がい者が挑戦する!月3万円を目指す新プロジェクト
愛媛県松山市の「きらら三福」は、障がい者の就労支援を行うB型事業所です。ここでは、利用者の平均工賃を月3万円以上に引き上げるという目標に向け、新たな商品開発プロジェクトに着手しました。
障がい者の工賃の現状
全国的に見ると、就労継続支援B型事業所での平均工賃は月約18,000円とされています。これは多くの利用者が一般就労に比べ著しく低い賃金で働かざるを得ない現実を示しています。この状況は、彼らの生活の安定性や社会参加を妨げる要因となっており、社会全体で解決に向かうべき重要な問題です。
新たな挑戦の始まり
きらら三福は、この困難を乗り越えるべく、従来の受託作業だけでなく利用者が積極的に製作に関与できる商品を開発しています。地域貢献と障がい者自身の自立を目指すこのプロジェクトがどのように進んでいるのか、具体的な商品の紹介を交えてお伝えします。
第1弾商品:松葉の消臭アイテム
第一弾として開発されたのは、愛媛県内の松林から採取した松葉を利用した天然の消臭アイテムです。これらの松葉は独自の方法で加工され、靴などに入れることで気になる匂いを吸収する役割を果たします。
この商品は、環境に優しくシンプルなデザインで、地域の店舗やイベントでも販売が始まっています。利用者は松葉の回収から製品のパッケージまで一貫して関わることで、実践的なスキルを身につけています。
第2弾商品:女性目線の防災グッズ
次に紹介するのは、女性視点を取り入れた防災グッズです。この商品は、食料や衛生用品など70種類のアイテムを一式にまとめ、災害時に使えるように設計されています。必要な物を持ち出すだけで、避難生活の初動をサポートします。
利用者はパッケージ製作や梱包作業といったプロセスにも関わり、自らの商品が社会に貢献することを実感できる場となっています。
工賃3万円へ向けて
このプロジェクトを通じての目標は、「利用者一人あたり月3万円の工賃」を実現することです。働くことは収入だけでなく、自分の役割が確立され、自己肯定感を育む要素でもあります。また、自身が作った商品を地域の人々が利用してくれることは、大きな喜びと達成感をもたらします。
きらら三福は、今後も「働きたい形で働ける社会」の実現を目指し、受託作業にとどまらず事業開発や地域との連携を深めていく予定です。障がい者が働く機会を増やし、より良い未来を切り開く取り組みをご紹介しました。
施設情報
- - 施設名:就労継続支援B型事業所きらら三福
- - 所在地:〒790-0964
- - 電話番号:089-934-6005
- - 運営法人:一般社団法人三福福祉事業団
- - 代表理事:大原聡
「きらら三福」の取り組みは、障がい者の労働環境の改善だけでなく、地域社会全体への貢献にもつながるものです。今後の展開に注目が集まります。