アウロステクノロジーズの革新的な補強工法が珠洲市で実現
アウロステクノロジーズ合同会社(以下、アウロステクノロジーズ)は、石川県珠洲市において新たな補強工法「APLASシート工法」を用いた工事を行い、注目を集めています。この補強工事は、地域における住民の安全性を高めるための重要なプロジェクトでもありました。工事は2024年12月から2025年1月にかけて実施され、市道406号線の山田橋において行われました。この橋は建設から45年が経過しており、老朽化による損傷が進行していましたが、APLASシート工法の導入によって、その補強が実現しました。
APLASシート工法の背景と特徴
日本において、1960年代以降多くのインフラが建設され、その多くが50年という耐用年数を迎えています。国土交通省によると、2033年までには約61%の橋梁がその年数を超えていたり、その状態が懸念されています。これらのインフラは地震や気候変動による被災リスクにもさらされています。特に、2024年の能登半島地震では多くの交通網や上下水道が寸断され、孤立集落が生まれるなど、地域住民の生活に深刻な影響を及ぼしました。
このような背景の中、アウロステクノロジーズが開発したAPLASシート工法は、補強工事の工期短縮とコスト削減を目的とした新しい技術です。工法は国土交通省が運営する新技術情報提供システム「NETIS」に登録され、技術の有効性が認められています。
補強工事の詳細
山田橋の補強工事では、床板の断面を修復し、APLASシートを用いて炭素繊維補強を行いました。施工期間は8日間で、APLASシート工法にかかる補強工程はわずか2日間で済みました。これにより、工期を50%短縮することが可能になり、現場の効率性が向上しました。
APLASシートとは?
APLASシートは、アウロステクノロジーズのプラズマ表面改質技術を基盤にした特別な炭素繊維強化熱可塑性樹脂(CFRTP)のシートです。このシートは、接着性が高く、施工が簡単であるため、作業時間や人員を大幅に削減することができます。特に、施工手順がシンプルなため、従来の工法に比べて人材不足の問題も解消される見込みです。
地域への影響と今後の展望
アウロステクノロジーズは、この工法導入により住民の安全を守ると同時に、地域の復興にも寄与したいと考えています。珠洲市の坂口副市長も、「アウロステクノロジーズの迅速な施工が市民の安心に寄与している」と感謝の意を示しました。工事が無事完了することで、住民は安心して日常生活を送ることができるようになります。
今後、アウロステクノロジーズは、APLASシートの量産体制の整備および別のインフラへの応用も計画しています。トンネルや上下水道管など、より多くの場面でこの技術が活用されることが期待されています。
アウロステクノロジーズは、持続可能な社会の構築に向け、今後もプラズマ技術を活用した研究開発を続けていくと確信しています。地域社会のニーズに応えつつ、安心して暮らせるインフラづくりを目指して邁進することでしょう。