日本企業のIT人材不足解消へ、バングラデシュ大学との提携を強化

日本企業の人材不足とバングラデシュの可能性

近年、日本ではエンジニア不足が深刻な問題となっています。特にIT業界では、若手エンジニアの採用・定着が大きな課題です。一方で、バングラデシュは豊富な若年層と高い学習意欲を持つ優秀なIT人材を輩出しています。この二つのニーズが一致するなか、株式会社VENTURAS（ベンチュラス）とバングラデシュのUniversity of Liberal Arts Bangladesh（ULAB大学）が業務提携を結んだのは2025年5月28日のこと。

VENTURASとULAB大学の提携

東京を拠点とするVENTURASは、バングラデシュの優れたIT人材と日本企業をつなぐことを目指しています。今回の提携により、両社は教育から就職、さらには定着率向上までを支援する包括的なプランを構築します。具体的には、以下の内容が盛り込まれています。

- 日本語教育の提供
- キャリア支援（履歴書作成、模擬面接、就活セミナー）
- ULABキャンパス内での企業選考会・説明会の共催
- 在校生・卒業生データベースへのアクセス制度
- 日本で活躍するULAB卒業生によるメンター制度の導入

これにより、日本企業はULAB大学の優秀なエンジニアと定期的に接触できる体制を整えることができるのです。

ULAB大学の教育方針

ULAB大学はダッカに位置する私立大学で、創造性や国際感覚を重視したカリキュラムが特徴です。確かな技術力を伴う若手人材を育てるため、特にCSE（Computer Science & Engineering）やEEE（Electrical and Electronic Engineering）専攻が強いです。多くの学生が日本語や異文化に興味を持ち、すでに日本で活躍している卒業生も数多くいます。

日本市場へのキャリアを築くための力強い支援を行うことで、ULAB大学は今後ますます注目される存在となるでしょう。

背景と期待される結果

日本ではIT分野の人材確保が急務です。一方で、バングラデシュではエンジニアとして優秀な人材が次々と育っています。このような状況から、両国の間で相互の人材活用が進むことが期待されています。特に、若手エンジニアにとっては渡航し、日本の企業でキャリアを築く貴重なチャンスとなります。

企業側にとっても、優秀なエンジニアを確保できることで業務の効率化や新しい技術の導入が進むでしょう。

VENTURASの上田代里子代表取締役社長は、「ULABとの今回の提携は、単なる人材の送り出しではなく、つながり続ける支援体制を構築する新たなモデルです」と述べ、採用後も定着支援を行うことで持続可能な関係を築くことの重要性を強調しました。

一方で、ULAB大学の学長Imran Rahman教授も、「この提携は学生にとって大きな励みであり、卒業後のキャリア形成を支える実践的な支援を強化していきます」と期待を寄せています。

VENTURASの概要

2015年にバングラデシュで初めてのEdTechスタートアップとして設立されたVENTURASは、『誰もが主体的に未来を選べる社会をつくる』ことをミッションに掲げ、教育とキャリア支援を通じて多面的な事業を展開しています。日本企業にとってバングラデシュの人材を活用することは、今後ますます重要な局面を迎えることでしょう。

バングラデシュと日本、その架け橋となるこの提携に、日本企業とバングラデシュのIT人材関係者からの期待が高まっています。