洋菓子店の苦境
2026-05-02 07:04:14

急増する洋菓子店の倒産、材料高騰が引き金に

洋菓子店の苦境と倒産件数の急増



近年、洋菓子店にとって厳しい時代が続いている。株式会社帝国データバンクが発表した調査によると、2025年度の洋菓子店の倒産件数は65件となり、前年の51件から約30%の増加を見せ、2年連続で過去最多を更新しました。この背景には、急速な物価上昇と原材料費の高騰がある。

原材料費は特に小麦粉、バター、クリーム、カカオといった基本的な食材で価格が大きく上昇しています。これに加えて、包装資材や人件費、水道光熱費の上昇も相まって、多くの洋菓子店が利益を確保できずに苦しむ状況が続いています。

特に、中価格帯のスイーツを手掛ける「街のケーキ屋さん」がこの影響を最も強く受けており、コンビニスイーツの台頭により競争が激化しています。これに伴い、さらなる値上げが難しいと感じている経営者が多く、そのため苦境が一層増しています。

原材料高騰と価格競争の影響



洋菓子店が直面する問題の一つは、急激な競争環境です。コンビニエンスストアのスイーツは、専門店と遜色ない品質を提供しており、400〜600円で販売されるため、特に街のケーキ屋さんは大きな打撃を受けています。多くの洋菓子店は、顧客の流出を懸念しコスト上昇を価格に反映できない「板挟み」の状態に陥っています。

さらに、顧客離れを防ぐためにメニューのサイズを小さくし、実質的な値上げ回避を試みますが、これが逆に顧客満足度の低下を招くことになり、結果として経営の悪循環を生み出すことになっています。

経営環境の厳しさ



2025年度において、洋菓子店の営業利益率は0.7%と、前年および物価上昇が起こった22年度以来の低水準に落ち込みました。また、最終損益においては約3割が赤字を計上し、業績が悪化した店舗の割合は6割にも達しています。このように、業績の回復は簡単ではない状況が続いています。

著名なフランス菓子店として人気を誇った白鳥菓子工房(埼玉県)は、収益性が悪化している中で原材料費の高騰が追い打ちをかけ、事業継続が難しくなりました。同様の理由で、複数店舗を展開するグランドルチェ(千葉県)も事業を断念しています。

希望の光を見出す店舗



ただし、全ての洋菓子店が厳しい状況にあるわけではありません。原材料費の上昇があっても、その信頼性と品質で支持を得ている店舗は顧客に納得される形で価格を改定し、利益を維持している場合もあります。また、InstagramなどのSNSをうまく活用し、ケーキの完全予約制を導入して廃棄ロスを防ごうとする試みも見受けられます。これらの取り組みが功を奏する店舗は依然として存在しますが、多くの店が厳しい競争を強いられる中で余裕を失っています。

今後の見通しとしては、カカオなどの原材料価格は引き続き高騰が予想されており、洋菓子店の淘汰は続くでしょう。そのため、今後も倒産件数は高水準で推移することが見込まれています。経営者には困難な選択が求められていますが、多くの店が再生への道を模索する姿勢を維持しています。


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会社情報

会社名
株式会社帝国データバンク
住所
東京都港区南青山2-5-20
電話番号
03-5775-3000

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