寝づらい猛暑夜への対策
記録的な猛暑が続く夏の夜、ぐっすり眠れないと感じる方が多いのではないでしょうか。睡眠は脳や肉体を休め、回復させるために欠かせません。そこで、良質な睡眠を確保するための食事や環境、マインドフルネスについて、脳神経内科医の山下あきこ先生が教えるテクニックをご紹介します。
現在の睡眠事情
2024年7月、全国の20代以上の男女1000名を対象にした調査によると、夏の睡眠を確保するために多くの人が行っている工夫は、クーラーや扇風機を使用すること、部屋を真っ暗にすること、規則正しい生活を送ること、遅い時間に食事をしないことなどが挙げられています。これらは暑い夜を快適に過ごすための基本的な対策ですが、それだけでなく、食事や環境に注意を払うことも重要です。
睡眠の質を高めるための食事
体内時計を整える: 朝日を浴びながら軽い運動を行うことで、体内時計を正常に保ちましょう。特に、朝9時までに太陽の光を浴びると効果的です。15分程度の日光浴を取り入れ、心身のリズムを整えましょう。
適切な栄養を摂取する: 良質な睡眠には特定の栄養素が不可欠です。特にグリシン、タウリン、トリプトファンなどのアミノ酸が重要です。これらは脳や身体の疲労を軽減し、良質な睡眠をサポートします。具体的には、エビやカニ、豚肉などを意識的に摂ることが推奨されます。
飲み物にも注意: 寝る前にはカフェインを含む飲み物は避けましょう。ただし、玉露の緑茶はテアニンの効果でリラックスできるため、適量なら問題ありません。温かいノンカフェインのハーブティーなどがオススメです。
快適な睡眠環境の整え方
良質な睡眠のためには、睡眠環境も重要です。以下のポイントに注意して、快適な環境を整えましょう。
- - 室温と湿度: 夏の夜は室温を16〜25度、湿度を40〜70%に保つことが理想です。
- - 寝具選び: 自分がリラックスできる素材を選びましょう。コットン製の寝具は吸湿性に優れています。
- - 照明管理: 部屋を真っ暗にすると、脳波が安定し、良質な睡眠へと導きます。
- - 香りの利用: ラベンダーなどリラックス効果を持つ香りを使用すると、安眠へつながります。
マインドフルネスを活用した睡眠前ルーティン
山下先生は、マインドフルネスの考え方を取り入れた睡眠前ルーティンを提案しています。例えば、入浴は就寝2時間前に40度程度のぬるめのお湯に浸かることが有効です。就寝前1時間は静かに過ごし、リラックスした心持ちで過ごすことが大切です。
また、「ボディースキャン」と呼ばれる瞑想を実践することで、身体の緊張を和らげることも推奨されます。意識を身体に向け、緊張している部分にフォーカスしてリラックスします。
規則正しい生活の重要性
規則的な生活を送り、自律神経を整えることも睡眠の質向上につながります。特に、食事のタイミングを意識することが重要です。朝はたんぱく質を、夕食は軽めにし、脂質の多い食事を避けることで、睡眠の質を高めることができます。
夏の夜を快適に乗り越えるためには、意識的に取り組むことが重要です。今回ご紹介した方法を実践し、良質な睡眠を手に入れましょう。