大阪ガスがフィリピンでのメタン排出削減プロジェクトに出資
大阪ガス、フィリピンでのメタン排出削減に出資
大阪ガス株式会社が近日、フィリピン北イロコス州で実施される水田由来のメタン排出量削減プロジェクトに出資を決めました。このプロジェクトは、Green Carbon株式会社が主導しており、二国間クレジット制度(JCM)を活用した取り組みです。
JCMとは何か?
JCM(Joint Crediting Mechanism)は、日本とパートナー国が共に温室効果ガス削減に取り組む制度で、その削減成果を両国で共有します。日本は2030年度までに、累計で1億t-CO2の削減を目指しており、農業分野においてのJCMクレジットの取り組みも進行中です。
特にフィリピンにおいては、農業分野からの温室効果ガス排出量が全体の約25%を占め、そのうち水田からの排出が半分以上とされています。これに対抗するため、JCMを用いた取り組みが進められています。
AWD技術の導入
本プロジェクトの主要な技術は、間断かんがい(AWD)です。この方法では、水田の水を一定期間抜いて土壌を乾燥させることにより、メタンの排出を約30%削減することが可能です。水田は通常、水を常に貯めている状態ではメタンが発生しやすいですが、この技術を使うことで排出量を効果的に抑えられます。
プロジェクトの内容
Green Carbonは、フィリピンの研究機関と協力し、AWD執行のための複数のプロジェクトを進めてきました。今回のプロジェクトでは、大阪ガスが出資し、両社は協力して事業を推進していきます。現地の農家との連携を図りながら対象農地の拡大も視野に入れており、JCMクレジットの発行が実現すれば、大阪ガスはこれを販売し、さらにカーボンオフセットの都市ガスとして供給する計画です。
各社の取り組み状況
大阪ガスは他にも、フィリピンのバタンガス州やラグーナ州でもAWDを活用したメタン排出削減に取り組んでおり、2024年度からは新たに地域を追加する予定です。これにより、複数地域からのJCMクレジット調達を目指し、安定供給の実現を図ります。
一方、Green Carbonは、水田や森林の保全など、様々な分野でカーボンクレジットを創出しています。特にフィリピンでは、AWD技術を駆使したプロジェクトに注力しており、期待される経済性を確保しながら、両国の脱炭素化に寄与することを目指しています。
目指す未来
両社は、プロジェクトを通じて稲作農業者の収益拡大と環境負荷の低減を実現し、2050年のカーボンニュートラル社会に向けて尽力していきます。温暖化が進行する現代において、こうした取り組みが大いに注目されることでしょう。
とても先進的な試みであるこのプロジェクトは、今後の展開が期待されます。国内外での温暖化対策が求められる今、持続可能な未来に向けた一歩として、大きな意義を持つものとなるでしょう。
会社情報
- 会社名
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Daigasグループ
- 住所
- 大阪府大阪市中央区平野町4丁目1番2号
- 電話番号
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