大阪で楽しむ共創アートプロジェクションマッピング
大阪芸術大学のアートサイエンス学科の学生たちと、クリエイティブカンパニー「ネイキッド」が共同で作品を制作したプロジェクションマッピングショー『太陽の塔プロジェクションマッピング in イルミナイト万博~2024 WINTER~』が、2024年11月29日から始まりました。このイベントは、万博記念公園にそびえる「太陽の塔」を舞台に、学生たちの想像力を反映した光のアートが繰り広げられます。
未来へのバトンを繋ぐアート
今回のプロジェクションマッピングは、1970年に開催された大阪万博を象徴する「太陽の塔」に注目しています。この塔は、未来を象徴する「黄金の顔」、現在を表す「太陽の顔」、そして過去を示す「黒い太陽」を持ち、さらに人間の内面的世界を象徴する「地底の太陽」という4つの顔から成り立っています。学生たちは、この豊かな象徴性を基に、新たな光景を創造し、次世代へと続く文化のバトンを繋いでいます。
学生たちと「ネイキッド」の技術力が融合した作品には、アートとテクノロジーが共存する新たな表現が感じられます。このプロジェクトは、学生自身が未来を担う存在であることを意識し、アイデアを形にする力を持っていることを示しています。
インタビューから見えるクリエイティブの裏側
このプロジェクトのディレクターであり、アートサイエンス学科の講師でもある川坂翔氏は、学生たちとの共同制作において重要な3つのポイントを挙げています。まず、「太陽の塔」への尊敬を持つこと、次に多様な観客に楽しんでもらえるような演出の工夫、そしてプロジェクションマッピング特有の楽しさを追求することです。
特に、川坂氏は「歴史を調べ、リスペクトを持つことが大切だ」と強調しています。「太陽の塔」に込められた岡本太郎の理念を理解し、それを作品に反映させることで、より深いメッセージを届けることが可能になります。学生たちも、岡本太郎のデザインにインスパイアされた要素を取り入れ、作品に自らの視点を加えています。
学生たちの創造的な挑戦
アートサイエンス学科の1年生である山下真由さんと五輪空雅さんも、制作に参加しています。山下さんは、「太陽の塔」について調べ、岡本太郎へのリスペクトを持って作品を作ることができたと話します。特に彼女がこだわったのは、作品の最初に出てくる古代の表現で、縄文時代の要素を取り入れ、作品に深みを持たせています。
一方、五輪さんは「5つ目の顔」を作り出すというコンセプトを持ち、未来を象徴する表現に挑んでいます。彼らの創意工夫を結集したこのプロジェクションマッピングは、未来への明るいメッセージを伝えるものとして、観客の心を捉えることでしょう。
イベント情報
このプロジェクションマッピングショーは、大阪府吹田市の万博記念公園で、2024年11月29日から12月30日までの期間中に行われます。観覧は無料ですが、園内へ入るためには入園料が必要です。日没から21:00までの間に、息をのむようなアートを体験しにいく価値があります。この活動を通じて、大阪の魅力が次世代へと引き継がれることを願っています。