ウェットスーツ素材のGX化への挑戦
株式会社トータスは、ウェットスーツ用素材のGX化に積極的に取り組んでいます。近年、環境への配慮が求められる中、同社はSDGs(持続可能な開発目標)への賛同を表明し、2030年までに同社の製品全体に使用されるサステナブル素材の比率を50%に引き上げることを目標としています。この野心的なプロジェクトには、さまざまな革新的な取り組みが含まれています。
スポンジの素材変更
これまで多くのウェットスーツで使用されてきたスポンジは、石油由来の合成ゴム(クロロプレン)に依存していました。しかし、その製造過程で多量のCO2が排出されるため、トータスは天然ゴムへの切り替えを目指しています。この変更は2025年末までに実現することを目指しており、製品の環境負荷を大きく減少させることが期待されています。
リサイクル素材の使用
ウェットスーツの外側に使用されるジャージ素材にも、新たな試みが見られます。トータスは、使用済みの漁網を再資源化したリサイクルナイロンの採用を進めており、すでに市場に供給を開始しています。このリサイクルナイロンは、通常のナイロンと同等の品質を保持しているため、意識の高い顧客の間で徐々に受け入れられています。
水性ボンドの利用
また、トータスはウェットスーツ素材を接着するためのボンドにも注力しています。これまでは有機溶剤を使用したVOCガスを排出するボンドが使われていましたが、現在は水性ボンドに切り替えています。この変更により、環境への負荷をさらに低減させることが可能になりました。特に、クロロプレンゴムのラミネートの水性化には成功しており、天然ゴムのラミネートに関しても2025年末までの対応を目指し研究が続けられています。
環境への配慮と社会的責任
株式会社トータスの取り組みは、環境への配慮だけに留まりません。彼らは、持続可能な製品の提供により、消費者により良い選択肢を提供し、意識の高い顧客層をターゲットにしています。さらに、同社の活動は、サステナブルな社会の実現にむけた一つの充実したモデルケースとして、多くの企業に影響を与える可能性があります。
トータスのこれらのイニシアティブは、サステナブルな未来に向けて確かな一歩を踏み出していることを示しています。商品開発の現場では、新しい素材と技術の導入が進み、ますます多くの顧客が同社の製品に注目しています。ウェットスーツ業界の中で、トータスがどのように変革をもたらしていくのか、今後の動向に注目が集まります。