篠笛の伝統を守り続ける大塚竹管楽器の新たな挑戦と魅力
東京都足立区に位置する『大塚竹管楽器』は、1913年に創業以来、篠笛の製作を一筋に続けてきました。この名門は、終戦後に足立区に移転し、日本一の篠笛メーカーとしての地位を確立し、現在でもその技術と伝統を受け継ぎながら新たな挑戦に取り組んでいます。
篠笛の魅力を広める活動
足立区内で篠笛を愛する人々のために、様々な活動を展開しています。特に先日行われた「千本桜まつり」では、大塚竹管楽器がチンドン屋として参加し、篠笛の明るい音色と共に、来場者の心を温かく包みました。寒さにも負けず、華やかな着物で脚光を浴び、多くの人々がその音楽に魅了されていました。
大塚代表の大塚敦さんは、「足立区の魅力を伝えることができて、とても嬉しい」と語り、地元を盛り上げる一員としての思いを語ります。このようなイベントを通じて、伝統的な楽器の存在価値を再認識させる機会を創出しています。
新たな文化発信拠点「f+studio」の誕生
そして、2024年には新しい取り組みとして、「f+studio」が誕生しました。これは、篠笛のレッスンだけでなく、カフェ機能も持つ複合的な施設です。施設内では、防音設備が完備されており、最大20名が収容可能なスタジオで、個人レッスンやグループワークショップが開催されます。この空間は、篠笛を実際に演奏し、生音を聴くことができる貴重な場所として、多くの参加者に人気を集めています。
「f+studio」では、初心者から上級者まで対応した「OTO class(おとくらす)」が2025年4月からスタートします。レッスンは月謝制で、世界的に著名な演奏者が講師を務め、参加者は篠笛の魅力を直接体験しながら学ぶことができます。さらには、気軽に体験ができるワークショップも用意されており、多くの人々が気軽に篠笛に触れる機会を得ています。
伝統文化の継承とキッチンカー「F+BASE」の活動
大塚竹管楽器は、祭り文化の継承への取り組みも大切にしています。近年、祭りや伝統行事の衰退が懸念されていますが、これを食を通じて盛り上げるために、キッチンカー「F+BASE」を運営しています。イベント出店時には、その篠笛の音色と共に、食の楽しみを提供しています。
「F+BASE」は、篠笛の音色に興味を持つきっかけを作り出す場としても機能しており、大塚代表は、「このような形で伝統音楽の文化を広めていきたい」と意気込みを語ります。
未来を見据えた新しい挑戦
大塚竹管楽器は、江戸時代から続く「獅子田流」の技法に基づき、篠笛の製作において最高峰とされる音色を追求しています。その伝統的な技術に新しい取り組みを加え、伝統文化を守りつつも次世代に伝えていく姿勢は、多くの人々に感動を与えています。
大塚代表の言葉からも、彼の熱い思いが伝わってきます。「篠笛の音色は、聴く人の心を打ち、人々を結びつける力を持っています。この魅力をより多くの人に体験してもらいたい」と熱く語っています。
今後も『大塚竹管楽器』は、篠笛製作の技術を基盤に文化発信を進め、地域とのつながりを大切にしながら新たな歴史を切り開いていくことでしょう。これからも彼らの活動から目が離せません。
企業情報
会社名: 大塚竹管楽器
住所: 東京都足立区入谷7-16-2
電話番号: 03-3856-6890
設立: 1924年(大正13年)
公式サイト: 大塚竹管楽器