2025年に開催される大阪・関西万博では、来場者に快適な体験を提供するための興味深い実証実験が行われます。このプロジェクトは、株式会社ミックウェアと株式会社きんでんが連携して行うもので、特に注目されるのが、きんでんが開発したエネルギー・マネジメント・サービス「EMS-AI」を活用して、会場施設の快適性と省エネルギーの両立を図る点です。
ミックウェアは、万博の「未来社会ショーケース」において、きんでんの快適性評価指標である「エエきも値」を会場地図上に視覚化するためのスマートフォンアプリを開発しました。このアプリは、来場者に効率的に快適な空間情報を提供することを目的としています。
具体的には、会場内の温湿度や臭い、さらには来場者の動きや行動をカメラで認識し、音声データをAIで解析することで、多様なデータを収集します。このデータを「エエきも値」へと変換し、数値表示とビジュアル化を通じて、利用者がリアルタイムで状況を把握できるようにします。
アプリ内では、快適度が「エエ」から「アカン」の5段階で評価されるだけでなく、レーダーチャートを用いた視覚的な表現でも伝えられます。これにより、来場者はどのパビリオンが快適かを一目で理解しやすくなります。一部のパビリオンでは、屋内外の環境も評価され、より詳細な情報が得られるのです。
さらに、特に興味深いのは、この実証実験が持続可能な開発目標(SDGs)への取り組みとも関連している点です。将来的には、きんでんとともに企業や研究機関と協力しながら、アプリを通じてSDGsの実現にも寄与することを目指しているとのことです。
このような技術の進展は、ただの快適性を追求するだけでなく、環境への配慮や持続可能性にもつながるため、今後の展開が大いに期待されます。今後の万博が、技術革新を通じてどのように進化していくのか、そして参加者がどのような体験をするのかに注目が集まります。快適さと省エネを両立させる事例として、技術の生かし方を見つける機会となるでしょう。