三菱電機、モータ診断機能搭載のマルチモータコントローラを発表

新製品のご紹介：三菱モータ診断機能付マルチモータコントローラ

三菱電機株式会社は、2025年10月1日に「三菱モータ診断機能付マルチモータコントローラ」を新たに発売します。この新製品は、工場の機械設備におけるインバータ駆動の低圧三相モータに対応しており、異常を自動で検知する最新の技術を搭載しています。

インバータ駆動モータの重要性

低圧三相モータは、発電設備や産業プラント、さらには工場内のファンやポンプ、ベルトコンベアなど、さまざまな設備の動力源として重要な役割を果たしています。特に、インバータ駆動モータは商用駆動モータよりも柔軟な回転数制御が可能で、消費電力の削減にも寄与します。このため、近年ではその必要性が高まっています。

しかしながら、インバータ駆動モータの異常検知には、スイッチング時に発生するノイズと異常信号の区別が課題となっていました。そこで、三菱電機は独自の信号処理技術を開発し、この課題を解決。業界初となるモータ診断機能付マルチモータコントローラを実現しました。

新製品の特徴

1. 精密な異常検知機能
新たに開発された信号処理技術により、インバータのスイッチングで発生するノイズを除去。これにより、モータの異常を高精度に自動検知できるようになりました。従来は、点検に手間がかかっていた電気系の異常も、解体作業なしで確認可能です。

2. ノウハウに依存しない診断
作業者の経験に頼らず、異常振動やミスアライメントなどの機械系異常を自動で検知。また、モータごとに異なる正常動作の状態を記憶し、異常判定値を自動設定します。これによって、個別のモータに最適な診断が実現します。

未来に向けた展望

三菱電機は、今後も製品の診断機能を拡充し、クラウドを活用した遠隔監視やデータ共有を進めることで、もっと多様な診断ニーズに対応していきます。また、AIやIoT技術の導入により、データ解析の精度も高め、異常の早期検知を促進する予定です。こうした取り組みを通じて、より安全で効率的な社会インフラの構築にも貢献していきます。