共通ポイント争奪戦の20年を描いたノンフィクション
2024年10月16日に発売予定の『ポイント経済圏20年戦争』は、著者名古屋和希による迫真のノンフィクションであり、共通ポイントの競争が生み出した辣腕を詳細に描いています。この書籍は、ダイヤモンド・オンラインでの連載を基にしたもので、大幅に加筆が行われています。
共通ポイントの拡大と重要性
現在、楽天ポイントやPonta、dポイント、Vポイント、PayPayポイントなど、さまざまな共通ポイントが経済の一部として根付いています。共通ポイントは、現金と同様に、実店舗やオンラインサービスで利用することができ、今やその経済圏は100兆円にも達しています。しかし、このポイント制度が始まった当初は、単なる「おまけ」としての存在でした。2003年に誕生したTポイントが、その進化の礎を築いたのです。
この書籍では、Tポイントの成功を皮切りに、三菱商事が導入したPontaや、その後に続いた楽天、NTTドコモ、ソフトバンクグループのPayPayポイントが登場し、共通ポイントを巡る熾烈な争奪戦が描かれています。特に、先駆者であったTポイントが、24年には三井住友フィナンシャルグループによってVポイントに統合され消滅する過程は、ビジネスの厳しさを象徴しています。
複雑な企業間の戦略
本書では、合従連衡、裏切り、謀略といった企業間の複雑な戦略が織りなすドラマが展開されています。ポイント経済圏を探る中で、登場するプレイヤーの数は全部で153社、それにより188人に及ぶというから驚きです。商社、金融、通信・IT、石油元売り、小売り、外食、アパレルと、多様な業種が参戦する中で、各社は「共通ポイント」を戦略の中心軸に据えています。
ポイント経済圏の未来とビジネスへの影響
消費が直結しているポイント経済圏の重要性は、ますます高まっています。この書籍は、単なるポイント制度の紹介だけではなく、その背後にあるビジネスの本質を掘り下げるものです。消費者にとっても、企業にとっても重要なテーマであるポイント経済圏を理解することは、今後のビジネスを考える上で欠かせない視点になるでしょう。
目次と著者プロフィール
本書の目次には、Tポイントの誕生から始まり、各経済圏の形成過程を考察する章が含まれています。著者の名古屋和希は、経済部や企業報道部での取材経験を経て、フリーとして活躍。特に、経済や企業の動向を深く見つめる視点から、本書にまとめられた知識は貴重です。
『ポイント経済圏20年戦争』、是非手に取ってその魅力を体感してみてください。