嶋津輝の新作『カフェーの帰り道』が直木賞候補に
嶋津輝の新作『カフェーの帰り道』が、第174回直木賞の候補作として選ばれました。この作品は、東京・上野にある喫茶店「カフェー西行」を舞台に、大正から昭和にかけて女給として働いていた女性たちの姿を描いています。
物語の背景
物語は、日本の歴史の中で変遷を遂げた時代背景の中で織りなされ、女給たちがそれぞれのお客との関わりを通じて成長する様子を描写しています。彼女たちは単なる職業以上の存在であり、しばしばその生活や思想は時代に翻弄されながらも、活き活きとした日常を送っています。
キャラクター紹介
作品には、個性豊かな登場人物が揃っています。竹久夢二風の化粧をしたタイ子は、自分自身を見失いがちな同僚セイを助ける柔らかい心を持つ女性です。嘘をつきがちな美登里は一見すると扱いにくいですが、周囲の人々にとって頼りになる存在です。また、新人の園子は大胆な嘘をついて人を驚かせ、彼女たちとのコミュニケーションを深めていきます。
作品のテーマ
この短編集は、百年前の女性たちの力強い生き様を描いた“私たちの物語”とも言える内容です。それぞれが異なる夢や希望を持ちながら、カフェーという一つの空間で、多くの経験や感情を交わし合っています。彼女たちの物語は、今を生きる私たちへのメッセージでもあります。
雑誌での特集
嶋津輝の作品に興味を持った方には、さらに深く彼女の思いや視点を知る機会として、あわせてインタビュー記事もご覧いただけます。文中では、彼女がこの作品を通じて伝えたいことや、執筆にあたっての苦労などを語っています。
書籍情報
『カフェーの帰り道』の書誌情報は以下の通りです。
- - 著者:嶋津輝
- - 判型:四六判仮フランス装
- - ページ数:228ページ
- - 発売日:2025年11月12日
- - ISBN:978-4-488-02936-4
- - 価格:1,870円(税込)
- - カバー図案: 「美術海」(C)芸艸堂
この新作が直木賞という大舞台でどのように評価されるのか、非常に楽しみです。本作を通じて、時代を超えた女性たちの力強い生き様に触れることができるかもしれません。