トランプ2.0の影響を懸念する企業の声が多数

2024年11月のアメリカ大統領選挙で再選を果たしたドナルド・トランプ氏が、2025年1月21日未明（日本時間）に大統領職に就任します。トランプ氏は「アメリカ・ファースト」を掲げ、従来のバイデン政権とは異なる方針への大転換を行うことが予想されます。特に、日本との関係性においてどのような政策が打ち出されるのか、注目が集まっています。

このような情勢を受け、帝国データバンクは、トランプ政権第2期に対する企業の見解を調査しました。調査は2024年12月16日から2025年1月6日までの間に、全国の企業26,721社を対象に実施され、1万935社からの有効回答を得ました。

調査結果の概要

調査結果によると、トランプ氏が大統領に再就任することが日本経済に与える影響について、プラスの影響があると答えた企業は10.4％、影響がないとする企業は7.4％にとどまりました。一方で、マイナスの影響があると予測する企業は43.9％に達し、先行きを不安視する声が広がっていることが明らかになりました。また、「予測不能」という意見や、「功罪の両方がある」という複雑な見解も多く見られました。「分からない」と答えた企業も38.3％を占め、約4割に及びました。

企業の反応

調査結果では、企業規模や業種、地域、海外進出の有無にかかわらず、同様の傾向が見られました。約1割の企業はプラスの影響を見込んでいますが、株価の上昇や円高の転換を期待する声も中にはありました。しかし、マイナスの影響を予測する企業が4割を超えたことで、多くの企業がトランプ政権に対する不透明感を抱いていることが分かります。

コメンタリー

企業から寄せられたコメントの中には、プラス方向の意見もあれば、マイナス方向の懸念が強く示されたものもありました。プラスの意見としては、以下のような声が寄せられました。

- 株式市場に良い影響を与えるだろう（東京都・経営コンサルタント）
- 円高が進めばエネルギー価格や建材の値下げ要因になる（福岡県・建設業）
- 就任直後は厳しい状況だが、今後の経済見直しのチャンスだ（埼玉県・メンテナンス業）

一方、マイナスの意見も多く、以下のような懸念が表明されました。

- 自動車への関税引き上げが影響を及ぼす（愛知県・情報サービス）
- 米国向けの輸出企業は保護主義政策に悩む（東京都・機械業界）
- 防衛費の増加が予算配分に悪影響を与える（大阪府・事業サービス）

これらの結果は、企業がトランプ政権の政策変更に対してどのように対応していくべきかを示唆しています。トランプ政権が発足する今後、企業が抱える不安感をどう解消していくかが重要な課題となるでしょう。

日本政府の適切な対応が求められ、友好的かつ国民の不安を解消するような働きかけが期待されます。日本企業の今後の発展には、政権への対応が大きく関わってくることでしょう。