埼玉県が進める光化学スモッグ調査
埼玉県は国内でも特に光化学スモッグの注意報が多く発令される地域として知られています。この問題を軽減するため、環境科学国際センターでは新たな試みとしてドローンを利用した調査を行うことに決定しました。この調査では、高度1000mにおけるオゾン濃度や揮発性有機化合物(VOC)の成分を測定し、その特性を解明することを目的とします。
光化学スモッグとは
光化学スモッグは春から夏にかけて発生しやすい現象で、日射が強く、風が弱い日程では特に注意が必要になります。この状態になると、息苦しさや眼の不快感を引き起こすことがあり、風景がもやがかかるように見えることもあります。光化学スモッグは、窒素酸化物(NOx)とVOCが太陽光の影響で化学反応を起こし、高濃度のオゾンを生じることで発生します。
調査の進め方
埼玉県はNTTアドバンステクノロジ株式会社との共同研究で、今年度の調査を行います。調査日時は令和6年8月8日(木曜日)の予定で、午前11時、午後1時、午後3時の3回に分けて測定を実施します。特に光化学オキシダント濃度が高まる14時から16時の時間帯にデータを収集します。
- - 調査場所: 渡良瀬遊水池(栃木県栃木市藤岡町)
- - 調査高度: 0m、300m、1,000m
- - 測定項目: オゾン、VOC、気温、湿度、気圧
これらのデータは、オゾンの生成と消失のメカニズムを理解するための重要な手がかりとなります。取得される情報は、今後の光化学スモッグ注意報の発令の予測精度を高めるために役立てられ、県民の生活の安全を守るために活用される予定です。
まとめ
埼玉県の取り組みは、科学技術を駆使して地域の環境を改善し、住民の健康を守るための模範的な例です。ドローンを活用したこの調査が成功すれば、全国的にも新たな環境調査の潮流を生み出す可能性があります。これからの調査結果に期待が寄せられています。