はじめに
リスクモンスター株式会社が実施した第1回「コンプライアンスチェックに関する意識」調査が発表されました。この調査は、企業におけるコンプライアンスチェックの実施状況や意識を反映したもので、特に企業の存続にかかわる重要なテーマであることがわかります。
調査の背景
2005年に会社法が成立して以降、企業はより強力なガバナンス体制を整備するよう求められてきました。内部統制やコーポレートガバナンス・コードなど、企業を取り巻く法的要請が増す中、特に反社会的勢力との関係排除は経営上の重大リスクとして捉えられています。こうした背景を受けて、リスモンでは全国の企業担当者を対象にアンケートを実施し、コンプライアンスチェックの実態を調査しました。
調査結果の概要
調査の結果、82%の企業が取引先に対してコンプライアンスチェックを行っていることが判明しました。これは、企業が反社会的勢力との関係を避けるために必要な対策を講じていることを示しています。業種別に見ると、特にサービス業が高い実施率を誇る一方で、製造業はその実施率が低い傾向にあるという結果も得られました。
チェック対象について
チェック対象とする取引先の割合については、68.5%の企業が「80%以上」をチェック対象としていると回答しました。これは、業種ごとに取引先の数や特性が異なるため、サービス業が特に高い実施率を示していますが、製造業では逆にその数が限られていることも一因と考えられます。
コンプライアンスチェックの課題
調査において多くの企業が直面している課題として、最も多かったのが「コストがかかる」という点で、38.9%がこれを挙げています。また、31.7%は「担当者の経験に依存するため、チェックの質にばらつきが出る」と回答し、続いて「手順やルールが明文化されていない」という課題も24.6%から指摘されました。企業はコストや手順の標準化に苦しんでおり、この点に対する対応策が求められています。
実施しない理由
逆にコンプライアンスチェックを実施していない企業にその理由を尋ねたところ、51.5%が「必要性を感じていない」と回答しました。また、39.4%は「チェックに必要なノウハウが不足している」とし、その他にも「取引先との関係に配慮して実施しにくい」という意見もありました。これらの回答から、コストよりも内部的なノウハウ不足が主な障壁となっていることがわかります。
今後の展望
今回の調査結果は、企業のコンプライアンスチェックが一般的になりつつあることを示唆しています。一方で、その実施にはコストがかかり、業務が属人化している実態も明らかになりました。企業の社会的責任がさらに増す中で、コンプライアンスチェックの重要性は今後も高まるでしょう。
企業は内外の規範を守るため、明確な社内ルールを確立し、継続的な改善の仕組みを作ることが求められます。
リスクモンスター株式会社は、コンプライアンスチェックや反社会的勢力に関するサービスを提供し、これらの課題に対応する解決策を模索しています。調査結果から導き出された「コスト」や「標準化」といった課題に対して、実効性のある運用体制の構築が急務とされます。
結論
リスクモンスターによる調査は、企業がコンプライアンスチェックを行う重要性を再認識させるものであり、今後の企業経営における大きな指針となるでしょう。企業は自身の信用を守り、持続可能な成長を遂げるために、コンプライアンスチェックの実施に積極的に取り組むべきです。