株式会社cosmobloomの新たな挑戦
株式会社cosmobloomが国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の2025年度SBIR推進プログラムに採択されたことが発表されました。これは、民間の宇宙活動を通じた産業発展と国際競争力の強化を目的とした技術開発において、フェーズ1の実施先に選ばれたことを意味しています。
この事業は「ディープテック・スタートアップ支援基金」の一環であり、100kg級の超小型人工衛星を利用した新しいダイレクト通信技術の開発に焦点を当てています。近年、低軌道衛星によるブロードバンドサービスが普及し、宇宙技術の利活用が進化しています。その中でも、特に衛星とスマートフォンとの直接通信を可能にするダイレクト通信は注目されています。既存の事業者は、テキスト通信から動画視聴まで対応できる通信速度を目指しており、cosmobloomもこの潮流に乗るべく動き出しました。
事業の具体的内容
cosmobloomは、自社が持つ膜面構造の自己展開技術を活かして、収納性・軽量性・展開性に優れ、なおかつ一定の剛性を保つ大型平面アンテナの開発に取り組みます。すでに神奈川県横浜市に本拠を置くスタッフ株式会社との共同開発を始めており、強力な協力体制を築きながら研究を進めています。このアンテナによって、ユーザーはますます身近に宇宙通信技術を利用できるようになるでしょう。
さらにNEDO SBIR推進プログラムは、科学技術やイノベーションを活性化するために設けられた制度であり、様々な社会課題の解決に向けた研究開発型スタートアップを支援しています。今回のプロジェクトは、IV界における通信技術の進展を一層加速させることを目指しており、他の研究機関や企業と連携しながら技術の社会実装を進める予定です。
NEDO SBIR推進プログラムについて
NEDO SBIR推進プログラムは、内閣府が中心となって実施する日本版のSBIR(Small/Startup Business Innovation Research)制度の一部です。この制度は、研究開発の初期段階をフェーズ1とし、その後の実用化開発をフェーズ2に分けた一貫した支援を行います。フェーズ1では、原則として1年間の実施期間が定められており、技術開発への助成金は上限20百万円です。
これにより、研究開発型スタートアップは、初期段階の研究や開発を進めながら、確実な成果を出すことが期待されます。すると、最終的には国際競争力の強化につながり、宇宙通信の分野においても日本の技術力が高まることでしょう。
cosmobloomの概要
cosmobloomは、日本の大学で培われたゴッサマー構造に関する技術を基に、宇宙構造物の解析・設計・開発を行うスタートアップ企業です。特に、自社開発の非線形弾性動力学解析コード「NEDA」は、世界初の惑星間航行に成功したIKAROSミッションなどでも活用されており、実績のあるツールです。
企業の活動を通じて、「常に挑み、ともに作り、すべての人が希望を持てる世界」を実現することを企業理念に掲げ、技術革新に取り組んでいます。
cosmobloomは、今後も様々な技術者や研究者と共に進化を続け、宇宙通信技術の発展に貢献していくことでしょう。彼らの活動から目が離せません。