ワイナリーの未来
2025-12-10 12:31:21
NIKI Hills Winery、ドローンとAIでワイナリーの人手不足を解消
NIKI Hills Wineryとその取り組み
北海道仁木町に位置するNIKI Hills Wineryは、2014年の設立以来、高品質なワインの製造と販売を行っています。このワイナリーは、33ヘクタールの広大な敷地を有し、シャルドネやピノ・ノワールといった人気のブドウ品種を栽培しています。近年、農業界全体が直面している人手不足と高齢化に対処するため、ワイナリーではドローンとAI技術を活用した新たな農業ソリューションの開発に取り組んでいます。特に、韓国のテクノロジー企業DeepVisions及びNAVER J.Hub Corporationと連携した「スマート農業実証実験」が注目されています。
スマート農業実証実験の目的
この実証実験は、高齢化や人手不足といった農業の課題を解決し、効率的かつ持続的なワイン用ブドウの生産を目指しています。12月6日には、その成果報告会が開催され、実験で得られた知見や次のステップが発表されました。2026年に向けて、さらなる機能の強化を計画しており、地域農業の発展への寄与を目指しています。
実証実験の概要
実証実験では、ドローンを用いた圃場の自動撮影に加え、AIによる画像解析が組み合わされています。これにより、ブドウの生育状況や病害虫のリアルタイム可視化を実現。実験フィールドは非常に厳しい条件の中で行われており、広大な6.8ヘクタールの敷地で見られる多種多様な環境に対する高精度な技術が求められました。
病害虫の自動検出
ドローンによって撮影された画像はAIによって解析され、例えば「灰色かび病」や「マグネシウム欠乏」といった問題を自動的に検出します。これにより、特定された病害の場所は高解像度の地図上に表示され、農業従事者は即時に適切な管理措置を講じることが可能です。また、農薬の散布をピンポイントで行うことで、全体的な使用量の削減も実現しています。
データ連動型の農業日誌
さらに、AI技術を活用した農業日誌機能により、散布した農薬や施肥、日々の作業がカレンダー形式で管理されます。このデータは蓄積され、次年度以降の栽培計画の最適化にも役立てられます。
効率化と今後の展望
このプロジェクトによって、従来は約5,000時間かかっていた巡回・確認作業を、ドローン利用で960時間にまで削減でき、作業効率は約82%向上したとのことです。さらには、気象データとの連携や生育状況の分析、収量予測モデルの開発も視野に入れており、農業生産のさらなる効率化と高品質なワイン生産に繋げていきます。
成果報告会
12月6日には、成果報告会が実施され、具体的な成果について関係者に報告されました。NIKI Hills Wineryの石川社長や、仁木町長の佐藤聖一郎氏も参加し、地域農業の未来におけるこの取り組みの意義や重要性についてコメントしました。
まとめ
NIKI Hills Wineryの先進的なアプローチは、ただ成果を上げるだけでなく、持続可能な農業のモデルケースとして他地域にも波及効果をもたらすことが期待されています。今後も、この取り組みを通して日本のワイン産業は新たなステージへと進化していくことでしょう。
会社情報
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株式会社DACホールディングス
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