JICが発表した新たなファンド投資ガイドラインで日本経済を活性化へ

JICが発表した新たなファンド投資ガイドライン

株式会社産業革新投資機構（JIC）は2023年、ベンチャーキャピタルおよびバイアウトファンドに関する詳細な投資ガイドラインを公表しました。このガイドラインは、投資先のファンドの適合性、想定されるパフォーマンス、そしてガバナンスの観点からまとめられています。JICの取り組みにより、日本のスタートアップエコシステムが更なる成長を遂げることが期待されています。

JICのミッション

JICは、オープンイノベーションを通じて企業の成長と競争力を高めるための資金供給を行っています。民間投資の促進や投資人材の育成を軸に、次世代産業を支えるリスクマネーの好循環を創出することを目指しています。具体的には、JICは民間ファンドへのLP投資（リミテッド・パートナーシップ投資）を行い、政策的に意義のある事業への投資を行うことにより、日本経済の活性化に寄与しています。

新しいガイドラインの概要

新たなガイドラインでは、以下の基本的な投資基準が設けられています。

- ストラクチャーと組織:

組織は独立した投資チームによって運営され、ファンド事業に専念します。これにより、ファンド運営に支障をきたすことのない環境を確保します。

- 投資チームの構成:

投資チームはフルタイムのメンバーで構成され、ファンド運用に専念します。また、運用責任者はファンドの中核メンバーで構成される必要があります。これにより、高い専門性と責任感が求められます。

- 経済条件:

成功報酬の料率は原則20%、さらには後発LPが負担する追加出資手数料など、透明性のある条件が設定されています。

- アライメントとガバナンス:

GP出資者や成功報酬の配分についての一貫性が確保され、ファンド間のアロケーションポリシーが必要とされます。また、年次総会の開催など、ガバナンス体制が強化されています。

JICの投資戦略

JICは、資金が不足する分野への投資テーマ設定を行うことで、民間資金の流入を促進することを狙っています。具体的には、以下のような投資戦略が取り入れられています。

1. リスクマネー供給の呼び水:
国内の投資エコシステムを活性化するため、不足している分野への資金供給を行います。

2. 多様な投資チームの育成:
投資チームの経験値を高め、機関投資家などからの信頼を獲得することで、次なるファンドにおけるリスクマネーの仲介者として成長を促進します。

3. 戦略の多様性:
JICは、日本市場内の多様な戦略に対するLP投資を通じて、市場の厚みを加えることを目指しています。

グローバルスタンダードの導入

JICは、国内の投資エコシステムの成長を図るため、グローバルスタンダードの導入を進めています。これにより、日本のスタートアップへの海外投資資金の流入を促進し、国内市場の発展を目指しています。加えて、国際的な基準に基づく判断を行い、投資先ファンドとの対話を重視しつつ、出資決定を行う意義も強調されています。