転売ヤーの闇に迫る!『転売ヤー 闇の経済学』発売
現代社会で大きな問題となっている転売。入手困難な商品を買い占め、高値で転売する転売ヤーたちの活動に焦点を当てたノンフィクション『転売ヤー 闇の経済学』(新潮新書)が、2024年11月18日に発売されました。
本書では、著者の奥窪優木氏が、様々な転売ヤーたちに密着取材。ポケモンカードやPS5、高級ブランド品、さらにはプレミアム付商品券に至るまで、転売の対象となる商品は多岐に渡ります。
転売グループのリーダー、中国人転売ヤー、個人で活動する日本人転売ヤーなど、様々なプレイヤーが登場し、それぞれの戦略や手口を詳細にレポート。中には、デパートの外商を転売スキーム化し、高級酒を手に入れてロレックスを購入する者もいるなど、その手法は巧妙かつ大胆です。
本書の構成
本書は、様々な転売事例を通して、転売の実態を多角的に分析しています。
第1章では、ポケモンカードを例に、転売市場のメカニズムを解説します。1枚の紙切れが、どのようにして高額な価値を持つのかを紐解きます。
第2章から第11章では、PS5、羽生結弦グッズ、ディズニーグッズ、クリスマス商戦、格安スマホ、クレジットカード不正利用など、様々な商品や事件を取り上げ、転売ヤーたちの巧妙な手口を明らかにします。
中国のSNSにおける転売事情や、バザーでの転売品発掘といった、グローバルな視点も取り入れられています。
コラムでは、弁護士が転売の問題点と法規制の現状について解説します。
著者の奥窪優木氏
本書の著者はフリーライターの奥窪優木氏。上智大学経済学部卒業後、渡米し、ニューヨーク市立大学に在籍。その後、中国に渡り、現地で取材活動を行うなど、幅広い経験を持つベテランライターです。
転売は無くならない?
取材の中で、ある転売ヤーは「世の中から転売は無くならない」と語ったそうです。この言葉が示すように、転売は現代社会に深く根付いた問題であり、簡単には解決できない複雑な課題です。
本書は、転売という闇の経済活動の現状を克明に描き出し、その問題点、そして今後の対策を考えるための重要な一冊です。転売ヤーの巧妙な手口、彼らの心理、そして社会的な影響について、深く考えさせられる内容となっています。
書籍データ
タイトル:転売ヤー 闇の経済学
著者名:奥窪優木
発売日:2024年11月18日
造本:新書
定価:946円(税込)
ISBN:978-4-10-611067-2
* 出版社:新潮社