S&B社がPlantStreamを導入し設計業務が革新!
先日、株式会社Arentが開発したプラント自動設計ソフトウェア「PlantStream」が、アメリカの名だたるエンジニアリングコントラクターであるS&B社に導入されたことが発表されました。この導入事例では、PlantStreamの活用がどのようにS&B社の設計業務を革新したのかに焦点を当てています。
背景:EPC業界の課題
近年、EPC(エンジニアリング、調達、建設)業界ではプロジェクトの複雑化と納期短縮が求められています。S&B社は、ミッドストリーム、化学、エネルギートランジション、製油、製紙といった多彩な分野で約60年の実績を持ち、設計プロセスの迅速化が求められています。これまでの手作業での設計やスプレッドシートによる管理に限界を感じ、効率的な生産プロセスと精度の向上が急務となっていました。
PlantStreamの導入理由
S&B社のエリック・ルーカス氏によると、PlantStreamは短期間での提案と合意形成において非常に重要な役割を果たしています。同社がPlantStreamを採用した三つの主な理由は以下の通りです。
1.
短時間で使える3Dモデルの作成: 従来のツールよりも大幅に工数が削減でき、初期段階から高い精度でレイアウトを検討できるようになりました。
2.
自動化と信頼性: PlantStreamを利用することで数量算出(MTO)の精度が向上し、安心して利用できる信頼性を確保しています。
3.
導入や運用の容易さ: システムの導入や運用が容易で、速い業務サイクルを実現するのに最適でした。
導入による具体的な効果
PlantStreamの導入後、S&B社は設計業務のスピードと生産性を大幅に向上させることに成功しました。以下にその成果を示します。
- - 初期設計を大幅に短縮: 数週間かかっていた初期設計を数日で完了し、より価値のある業務に時間を振り分けることが可能になりました。
- - 迅速な合意形成: 3Dモデルと数量データの同時生成により、関係者間の情報共有が容易になり、意思決定のスピードが格段に向上しました。
- - 顧客満足度の向上: 提案の迅速化に伴い、クライアントへのレスポンスが向上し、信頼性にもつながりました。
- - 部門間の連携強化: 同一データの活用が可能になり、作業の再確認や再入力が減り、部門間でのコミュニケーションがスムーズに行えるようになりました。
ルーカス氏は「モデリングのスピードは大きなアドバンテージで、同じモデルから3Dイメージとレポートを同時に生成できることは私たちにとって大きな強みです」とコメントしています。
PlantStreamの広がりと今後
S&B社はPlantStreamを初期設計や見積もりの標準ツールとして定着させる取り組みを進めており、今後は構造鉄骨設計や電気トレイ設計との統合を視野に入れています。また、ヒューストンとインドの設計拠点を連携させ、24時間体制での設計サイクルを実現するプランもあるようです。こうした取り組みにより、グローバルチームとしての連携が強化され、常に最新のモデルの提供が可能となることでしょう。
PlantStreamの概要
PlantStreamは千代田化工建設株式会社との共同開発によって生まれたプラント設計自動化ソフトウェアです。配管レイアウトの自動生成や資材数量の自動算出を行い、設計スピードを数週間から数時間に短縮します。現在、国内外のEPCエンジニアリング業界に広まっています。
Arent社について
株式会社Arentは「暗黙知を民主化する」というミッションのもと、建設業界のデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進する企業です。自社SaaSを展開し、最近ではPlantStreamなどをグループに加えることで業界の課題解決に取り組んでいます。