森川海街こどもサミット2024の開催
2024年12月1日、東京海洋大学において「森川海街こどもサミット2024」が開催されました。この国際サミットには、全国から100人の子どもたちが集まり、地域の水辺に関する課題について発表を行いました。
サミットの主催は、東京海洋大学の水圏環境教育学研究室であり、同大学の教育理念である海洋教育が強く反映されています。参加者は小学4年生から高校2年生までの子どもたちで、9組のチームがそれぞれ興味深いテーマについてのプレゼンテーションを実施しました。
季節外れの問題提起
例えば、最優秀賞を受賞した寺田実礼さん(加須市立原道小学校6年生)は、「日本の砂浜のプラスチックの状況と魚への影響」というテーマで発表しました。彼女は「海にどれだけのプラスチックごみが捨てられているか?」という問いかけからスタートし、毎分ゾウ一頭分のプラスチックが海に投棄されている現象を知ったことが研究の動機だと語りました。
実験では、東京湾、駿河湾、糸魚川の3箇所の海岸で流れ着いたプラスチックごみの量を比較し、東京湾で最も多かったことを示しました。そのうえで、特定の魚がプラスチックを食べているかどうかを実際に確認するために、釣り上げた魚のお腹を開いて観察しました。
「調査の結果、多くの魚がプラスチックを食べていることがわかったが、もっと未来の問題だと思っていた」と彼女は述べ、聴衆に警鐘を鳴らしました。
街のための深海魚PR
また、優秀賞を獲得した加藤珠らさん(鳳凰高等学校1年生)は、「旨魚!すぎょ魚! 南さつまの深海魚!」と題してプレゼンを行いました。彼女は南さつま市で獲れる深海魚の廃棄問題に取り組み、まずはその魅力を知ってもらう必要があると強調しました。
具体的には、オリジナルレシピを考えたり試食会を実施したりして、地元のスーパーでも深海魚を売るようになった経緯を紹介しました。また、学校での授業や水族館とのコラボ企画を通じて、深海魚の知名度を上げる試みも発表しました。
多様な視点と反応
審査委員たちは、各発表について具体的なコメントを寄せました。寺田さんのプレゼンには「様々な方法で徹底した調査を行い、説得力のある内容だった」と評価されました。加藤さんについては「周囲を巻き込んで取り組む姿勢が素晴らしい」という声が上がりました。
さらに、参加者たちは「海の問題は深刻で、解決には地域の協力が不可欠だ」という佐々木剛教授の総括に頷きました。
次回への期待
「森川海街こどもサミット」は、次回2025年12月14日(日)に予定されており、今後も水圏環境教育を推進するための取り組みが行われる予定です。子どもたちの生き生きとした発表に触れ、未来の環境を守るための意識が高まることが期待されます。
このサミットに参加した子どもたちの活動は、私たち現代社会における水環境の重要性とその保護の重要性を再認識させるものでした。今後の成長と進展に期待が寄せられます。