未成年者の円錐角膜治療への新たな支援
一般社団法人 円錐角膜支援の会が、未成年の円錐角膜患者に対する角膜クロスリンキング治療費の支援を発表しました。今回の支援は、進行性の眼疾患である円錐角膜の早期治療を促すための重要な一歩となります。
円錐角膜について
円錐角膜は、眼の角膜が円錐形に突出してしまう病気です。この状態になると視力が低下し、乱視や光のゆがみを引き起こします。具体的には、軽度の円錐角膜は200〜300人に1人の割合で発生し、特に中高生や大学生に多く見られます。
円錐角膜が進むと、従来のメガネやソフトコンタクトレンズでは矯正できなくなるため、特殊なハードコンタクトレンズが必要になります。さらに進行が重度になると、ハードコンタクトレンズでも視力改善が難しくなり、最終的には角膜移植が必要になることもあります。
角膜クロスリンキングとは?
角膜クロスリンキングは、円錐角膜の進行を停止させるための治療法で、リボフラビン(ビタミンB2)を含む点眼薬を角膜に点眼した後、紫外線を照射します。この治療は日帰りで行うことができ、その効果は若年層で特に顕著です。視力がまだそれほど低下していない段階での治療が、将来的な視力の維持に大きく寄与します。
支援の背景と目的
しかしながら、現在の日本の医療制度では、角膜クロスリンキングは健康保険の適用外となっており、自費で受けなければなりません。特に未成年者の場合、進行速度が早く、重症化する可能性が高いことから、早期の治療が強く求められていました。
このような背景から、円錐角膜支援の会は、多くの企業や個人からの寄付を募り、未成年の患者に対する経済的支援を行うことを目的として設立されました。
支援の詳細と申し込み方法
支援の構造は、2025年9月から始まるもので、2025年5月から7月にかけて行なわれたクラウドファンディングを通じて集まった資金を基にしています。支援の対象となるのは、2025年9月1日から2026年3月31日までに角膜クロスリンキングを受けた未成年者で、1回あたり3万円の支援が行われます。
支援を希望する方は、以下の必要書類を用意し、円錐角膜支援の会まで連絡をしてください。
- - 手術証明書(該当するホームページからダウンロード可)
- - 手術費用の領収書
書類提出後は、支援金の振り込みまでに数週間かかる場合がありますので、ご了承ください。
結び
円錐角膜支援の会は、治療を必要とする未成年者が負担なく治療を受けられるよう、活動していきます。患者の視力の安定を図り、生活の質を向上させることで、円錐角膜に対する理解を深めることを目指しています。
これからもさらなる支援が広がり、改善が見込まれることを期待しています。