被災工芸作家支援の新たな一歩 「工芸みらい基金」
公益財団法人ほくりくみらい基金が、新たな取り組みとして令和6年に発生した能登半島地震の影響を受けた工芸作家を支援する「工芸みらい基金」を立ち上げました。この基金は、地域の文化や伝統工芸を守り育てるための重要な施策として、7名の工芸作家に助成金を配分することが決定されたのです。
背景と目的
令和6年1月1日に発生した能登半島地震は、石川県内に多くの被害をもたらしました。特に工芸作家たちは、作品制作に必要な道具や材料を失い、創作活動が困難な状況に置かれました。そこで、申請を受け付けた結果、合計34万8,660円の助成金が7名の工芸作家に送られることになりました。この助成金は、被災した作家が再び創作活動を再開し、地域文化の復興を促進することを目的としています。
助成の詳細
今回の助成金は、被災工芸作家が作品を生み出すために必要な様々な経費に充てられる予定です。具体的には、漆器や陶芸などの制作に必要な材料の購入、被災した道具の修理・更新、作業場の修繕など、多岐にわたります。これにより、作家たちが自らの技術を生かし、地域の誇りを再築していくことが期待されています。
助成金の申請は2025年3月から開始され、7月4日まで受け付けられました。審査は被災の程度や制作実績、資金使途の妥当性など、多面的に評価されました。
公益財団法人ほくりくみらい基金
ほくりくみらい基金は、石川県金沢市に拠点をおく公益財団法人であり、地域の課題解決に積極的に取り組んでいます。代表理事の永井三岐子氏は、「工芸は地域の文化と人々の暮らしを支える大切な営みです。被災された作家の皆さんが再び作品を生み出すことで、地域のつながりが復活していくことを願っています」と述べています。
今後の展望
基金の取り組みは今回の助成金だけにとどまりません。今後も残された助成原資を活用し、追加寄付に応じたさらなる助成プログラムを計画しています。次回の公募については、公式ウェブサイトで発表される予定ですので、関心のある方はチェックしてみてください。
これまでの支援活動
ほくりくみらい基金は、被災地復興に向けた様々な活動を展開してきました。これまでに、令和6年能登半島地震の支援として80団体に約2,164万円の助成金を提供し、さらに被災地域の生活再建や復興にも力を入れてきました。
終わりに
「工芸みらい基金」の取り組みを通じて、地域の工芸作家たちが再び元気を取り戻し、素晴らしい作品を生み出していく日が来ることを心から期待しています。地域文化の復興のために、私たちも何かできることがあれば、一緒に考え、支援していきたいものです。