育成就労制度施行前企業の転籍対策実態
現在、企業の雇用実態が変化しつつあります。特に注目されるべきは、育成就労制度の施行が近づく中、企業がどのように対応しているかという点です。この制度の導入によって、外国人材の転籍が自由化され、企業はますます「選ばれる職場」へと進化を遂げる必要があります。
調査背景
株式会社カミナシは、育成就労制度を施行まで約1年を残し、企業の雇用実態を明らかにすべく定量調査を行いました。この調査には、幅広い世代の働く人々や、特に育成就労外国人を雇用する経営者や管理者が対象となり、具体的な雇用意向や対策状況が明らかにされています。
調査トピックス
スクリーニング調査から見る雇用意向
約1万1,000人を対象にしたスクリーニング調査では、技能実習生を雇用する企業の中で、育成就労外国人を「増やそうとする」のは22.0%、また「同程度を維持する」は33.7%でした。この結果より、多くの企業が雇用を継続・拡大へと舵を切る意思を持っていることが示唆されます。
特筆すべきは、技能実習生を雇っていない企業でも、2.0%(167社)が新たに育成就労人才の雇用を予定していることです。このことは、制度移行の影響で新たな雇用市場が広がる予兆を示しています。
本調査の実施と結果
次に、企業の制度への対応状況を調査。結果的に、88.3%の企業が育成就労制度の理解が「自信を持っている」と回答。しかし、転籍対策については33.3%が未着手という現実が浮かび上がってきました。企業のトップ層が知識を備えていても、実際の対応には格差が見られるのです。
特に注目すべきは、経営者・役員の実施率が84.2%である一方、現場の課長クラスでは57.1%の企業が未着手という不均衡です。この差は、現場の理解不足や対応遅れを示しており、育成就労制度が施行された際、外国人従業員が職場を選ぶ基準が経営層の方針ではなく、現場環境である事実に直結します。
多言語対応の影響
さらに、調査の中で注目すべきなのが多言語対応の重要性です。多言語対応コミュニケーションツールを導入した企業の61%が「十分な効果」を実感し、定期的な面談や日本人従業員の研修よりも高い効果を示しました。この成功事例は、外国人従業員との良好な関係構築に直結していることを指し示しています。
調査概要
この調査は、インターネットによって実施され、スクリーニング調査では10,906件、本調査では111件の参加がありました。ざっくりとした内訳としては、18歳から65歳未満の会社員・経営者を対象にした結果です。
これらの調査結果から、育成就労制度の適切な導入には多角的なアプローチと、現場での積極的な対応が必要不可欠であることが確認できます。今後も企業は、雇用環境の変化に柔軟に対応し、外国人材が安心して働ける職場づくりに向けて努力していくことが求められています。