徳島市立考古資料館では、今年の夏、特別企画展「戦争の記憶―考古資料が語る戦争―」が開催されます。この展覧会は、太平洋戦争の終結から80年が経過したことを記念し、当時の出来事を振り返る機会として位置づけられています。
大空襲の記憶
徳島市の歴史において、特に重要な出来事の一つが1945年に行われた大空襲です。7月4日の未明、徳島市街地は焼け野原と化し、多くの住民が命を失いました。その後の復興の中で、今もなお大空襲の記憶が市内のいたるところに残っています。展示では、発掘調査によって見つかった新たな資料が多数紹介され、当時の惨状を生々しく伝えています。
戦争遺跡の紹介
また、眉山の東側には、敵軍の上陸に備えて構築された防御陣地の痕跡が今も残存しています。これらの遺跡を訪れることによって、戦争の悲劇を思い起こさせられ、歴史の重みを実感することができるでしょう。企画展では、戦災に関する資料や軍事施設、防空施設を通じて、80年前に経験した悲しみと教訓を後世に伝えることが目的とされています。
開催の詳細
この特別展は、令和7年7月12日から8月31日まで開催され、毎日の開催時間は9時30分から17時まで(入館は16時30分まで)です。休館日は7月14日、22日、28日、8月4日、12日、18日、25日です。入館料は無料となっており、気軽に訪れることができます。
展示解説会の開催
特別展に合わせて、展示解説会も行われます。これは専門の学芸員が、展覧会の内容をわかりやすく説明する貴重な機会です。開催日は7月21日(祝日)や、8月2日、9日、31日です。各回、午後1時に展示室の入口に集合しますので、興味のある方はぜひ参加してみると良いでしょう。
資料館の使命
徳島市立考古資料館は、1998年の開館以来、「みて、ふれて、つくって、古代ロマンあふれる館」というキャッチコピーのもと、地域住民に愛され続けています。考古資料を通じて、徳島市の歴史や文化への理解を深め、新たな文化を創造し、郷土に対する愛着を育むことを目指しています。また、貴重な文化財を次世代に受け継ぐことを重要な使命としています。
この夏、ぜひ徳島市立考古資料館を訪れ、過去を振り返るとともに、未来への平和の大切さを考えてみてはいかがでしょうか。