身体に優しい治療法IVR(画像下治療)を学ぶ公開講座の様子
医療法人医誠会は、2023年7月10日に第209回ホロニクス公開医学講座を開催しました。このイベントでは、IVR(画像下治療)について、知識を深める機会が提供されました。IVRとは、インターベンショナルラジオロジーの略称で、レントゲンやCT、超音波などの画像診断を用いた新しい治療法です。通常、これらの画像は検査や診断で使われることが多いですが、IVRではその画像を基に治療を行います。
近年の医療機器技術の進歩により、IVRは急速に普及してきており、医療現場でもその効能が認識されていますが、一般の方にはまだまだ馴染みが薄いのが実情です。そこで、今回の講座ではIVRの基本的な考え方から、具体的にどのような治療が行えるかを解説することを目指しました。
IVR(画像下治療)とは?
IVRは、画像監視下でカテーテルや針を用いて行う治療法です。この方法の利点は、従来の手術に比べて身体への負担が少ないことです。具体的には、血管を塞ぐ「塞栓術」、血管の詰まりを広げる「血管形成術」、体内の液体を取り除く「ドレナージ」、そして腫瘍を壊す「アブレーション」が挙げられます。これらの手法により、患者は傷が残らず、早く回復することが可能となります。
IVRの代表的な内容
講座ではIVRの各手技について詳しく説明されました。特に、塞栓術は血管からの出血を防ぐために行われ、血管形成術は動脈硬化による血流障害を改善するために利用されます。ドレナージは、体内にたまった液体や膿を排出するために必要不可欠な手法であり、アブレーションは腫瘍治療において革新的なアプローチとして注目されています。
がん診療におけるIVRの役割
IVRは、がん治療において手術、抗がん剤、放射線治療と並ぶ4番目の柱として位置付けられています。特に高齢者や持病のある方にとって、IVRは切らない治療法であり、手術と比較して入院期間が短く、早期に日常生活に戻ることが可能です。この点は高い評価を受けており、今後ますます需要が高まることでしょう。
まとめ
IVRの理解を深めるこの講座は、医療に関心がある方のみならず、将来的に治療を受ける可能性のある全ての人にとって有意義な情報が提供されました。医療の進歩により、IVRは今後ますます多くの患者に貢献することが期待されています。ホロニクス公開医学講座を通じて、私たちの健康と生活の質の向上が図られることを願っています。