乳幼児の命を守る新技術、ルクミー午睡チェック
近年、乳幼児突然死症候群(SIDS)が問題視されており、保育現場における見守りの重要性が増しています。その中で、株式会社ポピンズの子会社である株式会社ポピンズエデュケアは、2025年6月から29の認証保育園に新型の午睡チェックセンサー「ルクミー午睡チェック」を導入することを発表しました。この取り組みは、より強固な見守り体制の構築と、保育者の負担軽減を目的としています。
従来、保育者たちは子どもたちの午睡中に5分ごとに確認作業を行い、その状況を薄暗い室内で紙に記録するため、ストレスがかかっていました。しかし、2020年以降、ポピンズでは一部施設にルクミー午睡チェックを導入し、その有効性が評価されていました。今回、その成功を受けて全29施設に拡大する運びとなったのです。
SIDSとは何か?
SIDSとは、睡眠中に理由もなく乳幼児が突然死亡する現象です。2023年には、こども家庭庁による報告で、48名の乳幼児がSIDSで亡くなったことが明らかになり、乳児期の死亡原因としては第5位に位置しています。この深刻な問題に対して、ポピンズは長年にわたってお昼寝時の見守りを強化してきました。
新型センサーの魅力
新型のルクミー午睡チェックは、保育AI™などを駆使しており、乳幼児の体動や体位をリアルタイムでアプリに記録します。これにより、保育者は目視だけでなく、テクノロジーによってサポートを受けることができ、見守りの精度が向上します。特に、うつぶせ寝や体動の停止時にはアラートが通知されるので、迅速な対応が可能になります。
また、センサーは耐久性や電池寿命が向上しているため、保育士が煩雑な業務から解放され、本来の保育に集中できる環境が整っています。保育者の心理的負担を軽減することで、質の高い保育を実現することが期待されています。
ユニファ株式会社の役割
ルクミー午睡チェックを開発したユニファ株式会社は、保育支援サービスを提供するスタートアップ企業で、最新技術を駆使して育児関連の問題を解決することを企業理念に掲げています。保育の質を向上させるだけでなく、家庭と保育現場の連携を強化することで、より良い育児環境の構築を目指しています。
ポピンズの成長とSDGsへの貢献
ポピンズグループは、社会貢献を基盤とした事業展開を行っており、特に「働く女性の支援」と「質の高い教育」をミッションに掲げています。2020年には日本初のSDGs-IPO企業として東証一部へ上場し、社会的責任を果たす企業として注目されています。最近では、ハーバード大学との共同研究も行い、SDGs教育の普及にも力を入れています。
まとめ
ポピンズによる新型午睡チェックシステムの導入は、保育現場に大きな変革をもたらすものです。SIDS対策としての意義はもちろん、保育者の心理的安全性を確保し、質の高いエデュケアの実現に向けた一歩となります。今後この取り組みが一般化し、全国の保育園にも広がることを期待したいところです。