三井倉庫グループ、ペーパーレスマルチピッキングカートを導入
三井倉庫グループが新たに導入した「ペーパーレスマルチピッキングカート」は、EC向けの物流業務をより効率的かつ環境に優しいものに変革します。このカートは、運営している物流センターにおける出荷業務に特化しており、複数のオーダー商品を同時に集めることができます。更に、紙を廃止し、全ての情報をデジタル化することで業務の効率化が実現しました。
このカートは、電気通信大学発のベンチャー企業であるB-STORMと共同で開発されたもので、バーコードシステムを利用してオーダー番号を管理します。これにより、各カートには電子ペーパータグが取り付けられ、必要な情報が瞬時に表示されます。この完全ペーパーレス化は、物流業務における効率性を大幅に向上させるものです。
導入による効果と改善点
ペーパーレスマルチピッキングカートの導入には多くのメリットがあります。特に、倉庫内のピッキング作業をスムーズに行うための工夫が盛り込まれています。具体的には、B-STORM社の独自技術を活かし、最適な経路を自動で算出し、タブレット画面にピッキングロケーションや商品名、数量を表示。本システムにより、作業者が移動する距離を約70%も短縮でき、作業時間も約40%削減されると報告されています。
また、紙伝票を廃止することで、毎月約1,500枚のA4用紙が削減され、環境に対する配慮も実現。さらに、ウェブ管理画面から各種操作を行うことで工数が削減され、作業の進捗状況や担当者の作業量も可視化され、業務の精度が向上しました。
物流業界における取り組み
三井倉庫株式会社は、BtoBおよびBtoCのビジネスモデルを持つ企業のEC向け物流業務を広く展開しています。本カートの導入によって、シングルピッキング、協働ピッキング、マルチピッキングの三つの手法を使い分けることができるようになり、それぞれのオーダーに対応した最適なピッキング方法を選択し、出荷効率をさらに高める体制が整いました。これは、特に多品種少ロットの商品が多いEC向け出荷業務において非常に重要です。
明るい未来を見据えて
三井倉庫グループは、「三井倉庫グループ DX 戦略」に基づき、デジタル化に取り組み、最新の技術を活用することによって、運営の効率性向上、コスト削減、品質向上を目指しています。少子高齢化による労働力不足や賃金の高騰といった課題に向き合いながら、今後もスマートロジスティクスを推進し、より良い物流サービスの提供を通じて、お客様の事業発展に寄与していくことでしょう。
今後の三井倉庫グループに期待できる進化と、ペーパーレスマルチピッキングカートがもたらす営業の変化に注目です。