インクルーシブ合唱団「ホワイトハンドコーラスNIPPON」がやなせたかし文化賞受賞
2024年の初め、インクルーシブ合唱団「ホワイトハンドコーラスNIPPON」が、『第3回やなせたかし文化賞』を受賞したことが発表されました。この受賞は、やなせたかし氏の誕生日である2月6日に行われ、同団体が行う子どもたちへの音楽教育と文化振興への貢献が評価されました。
やなせたかし文化賞について
やなせたかし文化賞は、若い世代のための芸術文化の発展を促進することを目的とし、優れた作品や活動を行う個人・団体に贈られます。この賞は、子どもたちにとっての魅力的な文化体験を提供することを目指しており、特に漫画や絵本、作曲、作詞などの分野での業績が重視されます。受賞者は、文化的な育成や普及に大きな貢献をしたと認められた存在として評価されます。
ホワイトハンドコーラスNIPPONの活動
ホワイトハンドコーラスNIPPONは、全国から集まった多様な子どもたちによる合唱団で、ろう者や難聴者、視覚障害者、車椅子利用者など、すべての子どもが参加できるインクルーシブな環境を提供しています。彼らは、南米ベネズエラで生まれた「エルシステマ」運動の理念に触発され、音楽を通して社会的な意義を持つ活動を行っています。
特に印象的なのは、彼らが手話と音声を融合させた独自の表現方法「手歌(しゅか)」を用いたパフォーマンスです。この表現方法は、視覚と聴覚の両方の障がいを持つ子どもたちが共に楽しめるように工夫されています。手話を使って歌い上げることで、歌の意味や感情を直感的に理解することができ、観客との深い感動の共有を生み出しています。
受賞に際してのメッセージ
受賞後、ホワイトハンドコーラスの芸術監督であるコロンえりかさんは、「やなせたかしさんに心から感謝します」とコメントし、平和を愛し、勇気を与えようとする彼の精神を受け継いでいく決意を新たにしました。また、さまざまなバックグラウンドを持つ子どもたちが互いに支え合いながら生み出す音楽の力を大切にし、今後も「音楽で未来を創造することに挑戦していきたい」と語っています。
今後への展望
今回の受賞は、やなせたかし氏の精神と、彼が子どもたちに伝えようとした希望のメッセージを再確認する機会ともなりました。彼の作品が次世代に与え続ける影響は計り知れないものであり、ホワイトハンドコーラスNIPPONは、国境を越えてその活動を広げていく意向を持っています。「もっと多くの人に喜びを届け、希望の歌を味わってもらいたい」との願いを胸に、次なるステージへと進む彼らの姿は、多くの人々に感動を与えることでしょう。
授賞式は4月12日に予定されており、招待制での開催となります。
公式情報
ホワイトハンドコーラスNIPPONの詳細や活動内容については、
公式ホー ムページや
Instagramをご覧ください。