奈良県田原本町とキャリアフィールドの連携協定
2024年12月20日、奈良県田原本町とキャリアフィールド株式会社が「保育士確保に関する連携協定」を締結しました。この協定は、地域の保育人材確保を目的としており、自治体側がゼロ予算で実施できる画期的な取り組みです。
取り組みの背景
奈良県内の保育士の育成状況には課題が多数存在します。具体的には、奈良県には保育士養成校が複数ありますが、定員充足率の低い学校もあり、保育業界への進学率が芳しくないという現実があります。特に、短期大学の一校が学生募集を停止したことが影響し、地域全体での保育士育成の機会がさらに減少しています。
加えて、田原本町では、近隣都市への人材流出が深刻で、給与加算がある地域に対して保育士が移ってしまう傾向が強まっています。これによって、保育士の確保が一層難しくなっているのです。さらに、保育士の採用に関する高額な人材紹介手数料が、保育事業者の経営を圧迫しているという厳しい現状もあります。
連携協定の内容
今回の連携協定では、以下のような内容が含まれています。
1.
保育士確保策に係る助言:地域のニーズに応じたアプローチを可能にします。
2.
高校生などを対象とした保育士体験の実施:若い世代の興味を引き、保育士という職業の魅力を伝えます。
3.
保育士資格取得に関する支援:保育士資格を取得するためのサポートを提供します。
4.
その他この協定の目的達成のために必要なこと:必要に応じた柔軟な取り組みを行います。
これにより、田原本町内で保育士の育成と確保を目指し、子育て支援環境の更なる充実を図ることが期待されています。
協定締結式の実施
協定締結式は田原本町役場で行われ、町長の高江啓史氏とキャリアフィールドの代表取締役都築裕一氏、および地域の保育施設長が出席しました。この重要な瞬間が、地域の保育業界にとって希望の光となるでしょう。
キャリアフィールドの概要
キャリアフィールド株式会社は、東京都渋谷区に本社を置き、20年以上にわたり国内初の保育人材メディアを展開してきました。保育施設の人材採用支援や、保育学生向けの就活フリーペーパー「ココキャリ・ノート」、「園長通信」を発刊し、幅広い支援を行っています。また、「ココキャリ・アカデミー」といったスクールを運営し、地域の保育人材育成にも貢献しています。
さらに、自治体との連携を強化し、「資格取得支援制度」の導入や、保育士養成校への学生集客支援など、費用をかけずに保育人材を確保する手法を提供しています。
今後もキャリアフィールドは、地域と共に持続可能な保育環境の確保に努めていくことでしょう。