サステナビリティ業務の引き継ぎ不足とは?
2026年に行われたエスプールブルードットグリーンによる調査によると、プライム市場に上場している企業のサステナビリティ関連業務における引き継ぎが多くの課題を抱えていることが明らかになりました。特に、サステナビリティ/環境経営/CSR関連部門の実務担当者たちが、前任者からの引き継ぎに3割以上が不在状態を感じており、約9割が引き継ぎの不足を実感しているという結果が出ています。
調査の背景
今回の調査は、国内企業におけるサステナビリティ情報の重要性が高まる中で、サステナビリティ関連業務の引き継ぎが現場にどのような影響を及ぼしているのかを明らかにすることを目的としています。サステナビリティに関連する業務は高度な専門性が要求され、一度蓄積された知識は次期担当者にきちんと伝承される必要があります。従って、適切な引き継ぎがなされなければ、企業のガバナンスにも深刻な影響を及ぼすことになります。
主な調査結果 - 短期間の引き継ぎ、8割以上の担当者が不満
調査によると、担当者の交代時に引き継ぎにかかる期間は6割以上が2週間未満という結果でした。この短期間での引き継ぎは大きなリスクを伴い、288%の回答者が前任者からの引き継ぎに不足を感じたと回答しています。特に、ESG評価機関に対する対応業務や開示資料の作成、GHG排出量の算定業務における引き継ぎの不足が目立ち、その背景には過去の分に関する情報や判断基準の共有の不十分さが浮き彫りになりました。
引き継ぎ不足がもたらす影響
引き継ぎ不足は、スケジュールの遅延や業務の進行に悪影響を及ぼすことが多く、最も多い回答に『スケジュールが遅延した(36.6%)』とありました。また、業務のキャッチアップに時間を要したため、施策への着手が後回しになるというケースが35.8%も報告されており、これにより本来進めるべき業務に影響が出ていることが認識されています。
解決策の模索
引き継ぎを円滑に進めるためには、業務のアウトソーシング(BPO)やDXツール導入、マニュアル化といった対策が有効であるとの結果も出ています。さらに、外部専門家との連携を強化し、継続的なサポートを得ることも重要な視点として挙げられました。また、過去の判断経緯や業務の整理は非常に重要であり、知識やノウハウの共有が必要とされています。
まとめ
以上の調査結果は、サステナビリティ関連業務において引き継ぎの重要性が再確認されたものであり、今後の業務運営には、個人に依存せずに組織全体でサステナビリティに対する対応体制を構築していく必要があります。企業価値を向上させるためには、持続可能な仕組み作りが求められるでしょう。
サステナビリティ業務における引き継ぎの課題を克服するためには、しっかりとした体制の構築と、知識の共有が欠かせません。今後もこの領域における調査と改善に努めていく必要があります。