楽天が経産省とNEDOの生成AIプロジェクトに採択、未来のAI技術を推進

楽天、生成AIの未来を切り開く

楽天グループ株式会社は、経済産業省とNEDOが主導する生成AI開発力強化プロジェクト「GENIAC」に採択されました。このプロジェクトは、日本の生成AI技術の向上を目的としており、楽天はその一環として2025年から新たな生成AI基盤モデルの研究を行います。

GENIACプロジェクトとは？

GENIAC（Generative AI Accelerator Challenge）は、日本国内における生成AIの研究と開発を支援するためのプロジェクトで、主に計算リソースの提供や、技術の最新情報、開発者同士の交流を促進することを目指しています。このプロジェクトの第1期は2024年2月に、続く第2期は同年10月に行われました。そして、今回楽天は第3期の公募に採択されたことで、今後の研究が加速します。

さまざまな機能を持つLLMの開発

楽天は、2024年の3月に日本語に特化した高性能な大規模言語モデル（LLM）を開発し、公開していく計画があります。このモデルは「Rakuten AI 2.0」というもので、コスト効率を考慮しつつ、小規模な高効率モデルを目指しています。特に、Mixture of Experts（MoE）アーキテクチャを採用し、関連するサブモデルだけをアクティブにして処理を行うため、高い運用効率が実現できます。

よりパーソナライズされたAIを目指して

楽天の新たな研究開発では、より長く複雑な日本語の処理が可能な最新のLLMを目指しています。このモデルには、記憶機能を拡充する新技術が導入されており、ユーザーとの会話を通じて得た情報を記憶し、より個々に合った応答が可能になることを目指しています。これにより、従来のトランスフォーマーアーキテクチャの限界を超えた、広範なコンテキストを扱える能力を持ったAIの実現が期待されています。

楽天の理念と今後の展望

楽天のAIリサーチ統括部副部長は、「NEDOおよび経済産業省の支援を受けて、最先端の生成AI基盤モデルを開発できることを大変嬉しく思っている」と述べています。長期にわたる会話を通じてユーザーの嗜好や経験を学び、よりパーソナライズされたAI体験を提供することが目標です。

楽天は「AI-nization」というテーマを掲げ、生成AIの導入を通じてビジネスの成長を図っています。今後は、「楽天エコシステム」を活用し、顧客体験や業務効率化の向上を目指し、AI技術の普及に努める計画です。