ベクターが発表した新しい車載Ethernetインターフェイス『VN5614』
2025年4月1日、ドイツ・シュツットガルトのVector Informatik GmbH(以下、ベクター)は、車載Ethernet 10BASE-T1S用の新しいインターフェイス『VN5614』をリリースした。この製品は、Open AllianceのTC10イベントをサポートし、低レベルエラーのレポート機能も搭載しており、幅広い解析、シミュレーション、テスト、モニタリングに対応している。どういった利点がこの新インターフェイスにあるのか、詳細を見ていこう。
ユニークな機能
VN5614は、2つの独立した車載Ethernet 10BASE-T1Sバスライン用のコンパクトなインターフェイスで、その設計は非常に柔軟だ。これにより、複雑なバスシミュレーションからパッシブ計測まで多様な利用が可能となっている。また、VN5614は複数のEthernetシミュレーションノードをバスラインに接続でき、高負荷または無効なEthernetパケットを送信することによってフォールトインジェクションを実施することもできるのだ。
高度なデータ取得
バスに関する詳細な情報を得るため、VN5614は低レベルエラーやサイクル情報、PHYレベルの衝突回避(PLCA)BEACONイベント、各種統計データをレポートする。これらの情報は、CANoeやCANalyzerといったアプリケーションで表示され、精度の高い車載ネットワークやメガワット充電システム(MCS)の解析に寄与するとされている。
環境を選ばない堅牢性
自動車用の電源管理規格であるOpen Alliance TC10にも採用が進む10BASE-T1Sに対し、VN5614はそのサポートを強化している。オフィス環境、ラボ、テストベンチ、さらに車両内など、さまざまな状況での活用が見込まれている。
ベクターの10BASE-T1Sポートフォリオの一部として
このVN5614は、ベクターの既存の小型インターフェース、VN5650やVN5240と共に、チューニングやテストにおける新しい選択肢を提供する。また、これにより、ベクターは10BASE-T1Sポートフォリオを一層強化する形となる。
さらに、VN5614は、解析/シミュレーション/モニタリングを行うための理想的なインターフェイスとして、非常に魅力的に感じられる。自動車業界における最新のニーズに応えられる高機能な製品として、是非期待したい存在である。
ベクターについて
ベクターは、ソフトウェアベースの電子システム開発に特化したリーディングカンパニーであり、35年以上の経験を持つ。現在、世界中に4500名以上の従業員を擁し、今後も先進的なソリューションを提供していくことが期待されている。詳細については、
ベクター公式ウェブサイトを参照のこと。
各種機能が詰め込まれたこの新インターフェイス、VN5614は車載Ethernetの未来を切り開く、重要な役割を果たすことが期待されている。