西周全集の新しい扉を開く
公立大学法人島根県立大学が、津和野町と連携し、歴史的思想家・西周の業績を掘り下げるプロジェクトを進めています。この活動の一環として、2025年9月に『新編 西周全集』の第三巻が刊行されることが決まりました。本全集は全6巻から成り、幕末・維新期に生きた「知の巨人」西周の全貌を明らかにすることを目的としています。
西周とは何者か
西周は、津和野藩に生まれ、オランダ留学の経験を持つ思想家です。彼は近代日本の黎明期に、様々な領域で活躍し、その思想は後世に多大な影響を与えました。今回刊行される全集では、旧全集では収録されていなかった著訳書や、部分的にしか翻刻されていなかった日記の完全版、新たに発見された書簡などの新資料が盛り込まれ、徹底した校訂が施されています。
新編西周全集の特徴
第三巻は「言語・教育編」として構成され、多様な学問領域をカバーしています。また、編者には東京大学名誉教授の樺山紘一氏や、上智大学教授の服部隆氏など、著名な研究者が名を連ねています。彼らの手により、従来の資料を超えて西周の思想が探索され、その真価が問われることでしょう。
地域貢献と人材育成の取り組み
島根県立大学は2017年に津和野町と連携協定を結び、地域社会の発展に貢献するプロジェクトに取り組んでいます。これまでには、西周シンポジウムの開催や西周賞の設立、新編西周全集の編纂などを手掛けており、本書の刊行もその一環となります。地域の人材育成や社会貢献を目指した活動は、今後も注目されることでしょう。
未来へのプラン
新編西周全集は、全6巻の展開を控えています。各巻の刊行を通じて、学問の普及とともに地域の文化的な資産を育てることが期待されます。出版は国書刊行会から行われ、ISBN978-4-336-07614-4の書籍が2025年9月に登場します。定価は24,200円(本体価格22,000円)とされています。
結びに
「知の巨人」西周の思想を掘り起こすこのプロジェクトは、過去の思索を見直し、未来の学問の発展に寄与する重要なステップです。興味がある方は、ぜひ新編西周全集を手に取ってみてください。日本の文化と教育における貴重な財産を一緒に体感しましょう。