金融庁、監督指針の改正案を公表し規制緩和へ

金融庁が発表した監督指針の改正案

令和6年10月15日、金融庁は「主要行等向けの総合的な監督指針」など、複数の監督指針に関する改正案を発表しました。今回の改正は、デジタル時代の変化に伴い、金融機関に対する規制を見直すもので、特にデジタル原則に基づいた規制の緩和が期待されています。

改正の背景と目的

改正案は「デジタル原則に照らした規制の一括見直しプラン」に沿っており、各省庁が進める規制見直しの一環として位置付けられています。デジタル化が進む中、従来の規制が時代にそぐわないことを踏まえ、視点の転換が求められています。

具体的には、往訪閲覧縦覧規制や、申請に応じた公的情報の閲覧体制の見直しが検討されています。これにより、金融機関はより柔軟に情報を扱うことができ、市場の競争力向上が期待されます。

改正案の具体的な内容

改正案に含まれる指針は、多岐にわたります。

- 主要行向けの監督指針
- 中小・地域金融機関向けの監督指針
- 少額短期保険業者向け監督指針
- 信用格付業者向け監督指針

これらの指針において、デジタル時代のニーズに合った新しい規制が盛り込まれる予定です。特定金融業者に対しても、デジタル決済の普及に伴う新たな規制が必要とされています。例えば、暗号資産交換業者に対する監督指針も改正される見込みで、より産業の実情に即した柔軟な規制が導入されるでしょう。

意見募集と今後の展望

改正案についての意見を受け付ける期限は、令和6年11月14日となっており、個人や法人からのフィードバックを歓迎しています。寄せられた意見は、指針の最終策定に反映される可能性があります。

この新しい監督指針は、金融業界のデジタル化や競争力の強化に寄与することが期待されます。特に、消費者にとっても利便性の向上や透明性の確保が図られることで、より安心して金融サービスを利用できる環境が整うでしょう。