大阪工業大学、視覚に頼らぬ大阪の旅を体験するプロジェクト
大阪工業大学の情報メディア学科の学生たちが、視覚に依存せずに歴史的な大阪を体験できるコンテンツを制作しました。このプロジェクトは、「音で旅する大阪今昔博士と失われたレシピを探せ!」というタイトルで、2025年に開催される日本国際博覧会(大阪・関西万博)で展示されます。学生たちは、東京に本社を置くスタートアップ企業「GATARI」との協力を通じて、複合現実(Mixed Reality)技術を利用した体験型のコンテンツを開発しました。
プロジェクトの背景
今回のプロジェクトは、点字が考案されてから200年目を迎えることにちなんでおり、視覚に障害がある方も楽しめる体験を提供することを目的としています。学生たちは、同社の開発した「Auris」というシステムを活用し、環境に依存せずに音声を通じて体験を形成するという新たな試みを行っています。このシステムにより、利用者はスマートフォンとヘッドフォンを利用して、目を閉じても音の力で歴史の旅に出かけることができるのです。
コンテンツの魅力
制作されたコンテンツは、大阪を舞台にしたストーリーで構成されています。参加者は、未来からやって来た博士と共にタイムトラベルし、江戸時代の「天下の台所」と呼ばれた大坂の賑わい、さらに安土桃山時代の大阪城の建築現場、近代のミナミへと時代を超えて移動します。このプロジェクトでは、学生たちが実際に街頭で録音した音源や、文楽劇場から提供された演目を取り入れ、大阪らしいエンターテインメントを盛り込んでいます。
体験イベントの詳細
万博期間中、学生たちは来場者に対し目を閉じた状態で音を聞くことに焦点を当てた体験を提供します。また、最新のデジタル技術を駆使し、学生たち自身が事業運営に携わることで、新しい技術への理解を深めることも目指しています。
GATARの本プロジェクトの意義
また、GATARIも「視覚障がいの有無にかかわらず、人間の認知がどれだけ現実を正確に把握できるのか」をテーマに、参加者が自身の感覚を新たな視点で見つめ直すことができるコンテンツ「SENSPHERE」を展開します。これにより、視覚的情報に頼らない新しい体験が可能となります。
万博の開催スケジュール
この体験は2025年4月19日から24日まで、ギャラリーWESTで開催される「点字考案200年視覚障害者の世界を体験する」イベントの一部として披露されます。今回の取り組みは、視覚障害者と健常者が共に楽しめる社会を実現するための第一歩でもあります。
興味を持たれた方は、ぜひ万博でのこの貴重な体験をお見逃しなく!ぜひ音に耳を傾け、大阪の過去と未来を感じてみてください。