DE&Iの新たな試み
2025-12-24 10:13:06

DE&Iを考える新たな場、京都大学の東京フォーラムでの活動を探る

DE&Iを考える新たな場、京都大学の東京フォーラムでの活動を探る



2025年11月27日、立命館東京キャンパスにて、「京都大学コミュニケーションデザインとDE&Iコンソーシアム 東京フォーラム2025」が開催されました。このフォーラムは、社会や組織におけるDE&I(Diversity、Equity、Inclusion)に関する実践知や課題を共有し、参加者同士の対話を通じて「集合知」を育てることを目的としています。これまでは京都でシンポジウムが行われてきましたが、東京での開催は今回が初めての試みとなりました。

フォーラムは二部構成で、第1部は基調トークセッションとクロスオーバーミーティング、第2部はポスターセッションから成り立っています。参加者は企業、大学、非営利団体、自治体など、広範なセクターから集まり、DE&Iに関する最新の意見や実践事例について活発な議論がなされました。

主催するコンソーシアムは、「誰ひとり取り残さない」社会を実現するために産学官民が平等に学び合う場を作り、人材育成や対話の機会を提供しています。また、様々な分野のメンバーがクロスして対話を行いながら「集合知」を生み出すことを目指しています。

基調トークセッション:B Corpの役割



第1部の基調トークセッションでは、B Market Builder Japan共同代表である鳥居希氏が登壇し、1万社以上が参加するB Corporation(B Corp)の最新の動向や新基準におけるJEDI(Justice, Equity, Diversity, Inclusion)の概念を紹介しました。B Corpは、社会や環境への影響や透明性に対する基準をクリアした企業で、パタゴニア等がその代表例です。鳥居氏が説明する中で、B Corpの「B」は「Benefit for All」の略であり、企業が利害関係者全体に利益をもたらすことの重要性が強調されました。

また、参加者の多くが関心を寄せたのが、バリューブックスにおけるDE&Iへの取り組みです。同社は長野県上田市に本社を置き、オンラインを中心に書籍の買取と販売を行っていますが、役員構成におけるジェンダーの偏りが問題視されました。鳥居氏は、役員会に女性がほとんどいない状態が続いていたことを指摘し、その改善に向けた取り組みを行いました。結果、役員の半数を女性にし、より多様な意見が展開できるようにしたのです。その意図は、役員メンバーを見た時に「少なくとも1人は自分とつながっている」と感じられる構成を目指したとのことです。

クロスオーバーミーティング:多様な意見の交差



第1部後半では、クロスオーバーミーティングが行われ、参加者が多様な実践知を交差させることを目的とした討論が展開されました。女性管理職比率や部門ごとの働き方の公平性、非正規雇用の増加による孤立問題など、企業の現場で直面している問題が次々と取り上げられました。

このセッションでは、企業が抱える難題に対する意見交換が行われ、特に「ポートフォリオ」という考え方が注目されました。経営層が「多様なコミュニケーションを大切にする」と言うのであれば、実際に働く時間の配分をどうするかが問われるのです。

ポスターセッション:多様な立場からの意見交換



フォーラムの第2部では、参加者によるポスター発表が行われ、多様な立場の人々が自分の考えや実践を共有しました。参加者同士の対話が生まれ、各々の現場で直面する課題についてディスカッションが進みました。特に「心理的安全性」や「見えにくい多様性」の重要性について話し合われ、目に見える指標だけでなく、背後にある思考や意見の多様性が議論されるべきだとの意見が集まりました。

質疑応答の際には、数値化のメリットとデメリットに関する意見も飛び交い、今後の経営において重要な考察が行われました。

まとめ



今回のフォーラムでの対話は、DE&I推進の重要性を再確認する場となりました。京都大学コミュニケーションデザインとDE&Iコンソーシアムは、今後も様々な立場の人々とともに、社会に開かれた対話の場を育てていくことを目指しています。すべての人の意思や存在が尊重される社会を実現するために、私たちは歩みを止めることなく、議論を続けていく必要があります。変化は一朝一夕には訪れませんが、多様な実践知が交わることで、新たな一歩を踏み出せると信じています。

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