船場とコクヨ、グローバル戦略的業務提携の意義
2025年7月1日、株式会社船場とコクヨ株式会社はグローバルな成長戦略を実現するために業務提携を結びました。この提携は、オフィス空間のニーズが多様化する中で、両社の強みを活かし、迅速かつ柔軟に対応することを目的としています。特に、アジア市場においてテストケースとして成功したサービスを基に、家具と工事を統合的に提供し、競争力を高める狙いです。
提携の背景にある現状
近年、働き方の変化やサステナビリティへの関心の高まりから、オフィス空間に求められる役割が大きく変化しています。企業の競争力が「人」にシフトし、人材の戦略やイノベーション推進に関連する空間のニーズが増加しています。コクヨは長年にわたり、オフィス家具の開発やワークスタイルのコンサルティングを行ってきました。一方で、船場は商空間作りに特化し、質の高い施工力を持っています。最近では、環境に優しい空間作りにも力を入れています。
過去の実績と提携の利点
両社は過去においても自社施設などでの発注関係があり、国内外でのプロジェクトで協力してきました。労働形態のコンサルティングから始まり、コクヨの「働く場」のデザイン力及び商品力と、船場の施工力が組み合わさることで、顧客満足度の高い空間を数多く提供してきました。具体的な実績としては、国内大規模企業オフィスの設計施工やアセアン地域での日系企業オフィスの設計施工、さらには共同研究といったものがあります。これらの協力で得られた経験は、今後の提携にも大きく寄与することでしょう。
今後の施策と期待効果
提携により、以下の施策が実施される予定です。
1.
海外市場への強化:
アジア中心に「家具と工事」のセットをワンストップで提供し、既存のネットワークを活かした拡販を進める。また、日系企業や現地企業向けのサービスを拡大。
2.
国内市場における連携:
両社のコア事業を生かし、空間創造の工程を一貫して提供。特に、オフィスと商空間の融合を推進し、新たな空間価値を創造する。
3.
新規事業の創出:
コクヨのリノベーション事業では、両社の知見を基に、既存空間の価値最大化を図ります。
4.
人材育成:
次世代のリーダーを育成するためのプログラムや人材交流を進め、プロジェクトの推進力を底上げします。
代表者のコメント
提携の発表にあたり、コクヨ株式会社の矢田章執行役員は、「この提携は、技術と経験を組み合わせて国際市場での競争力を高める重要なステップです」と述べ、持続的な成長への意欲を表しました。対する船場の小田切潤社長も、「コクヨとの業務提携により新しい価値を提供できる確信がある」と強調しました。
まとめ
両社の協力により、業務提携は新たなビジネスチャンスを生むだけでなく、持続可能な未来を見据えた空間作りの新しいモデルを形成するものと期待されています。多様化するオフィス環境に対し、今後の展開がとても楽しみです。