北海道発！抗がん剤治療支援の帽子「愛帽」が全国販売開始

北海道室蘭市に本社を構える株式会社アイスジャパンが、抗がん剤治療中の脱毛を軽減する頭皮冷却帽子「愛帽（あいぼう）」の販売を開始しました。これは、抗がん剤投与による副作用である脱毛に苦しむ患者さんのために開発された製品で、すでに多くの利用者から高い評価を得ています。

開発の背景と経緯

「愛帽」の開発は、2019年に一通のメールから始まりました。関東在住の女性が「保冷剤を使った帽子が必要だ」と訴えたこのメールに、同社の代表取締役である松岡正昭さんが直接出向き、事情をヒアリングしたことがきっかけです。その後、約50人のがん患者の協力を得て、試作と改良を繰り返し、2020年12月には製品化に成功しました。

開発には社内の技術を結集し、冷凍しても柔らかく保つホワイトジェルを使用した保冷剤を搭載し、長時間通気性を維持するための断熱素材SRB（合成ゴム）を採用しました。これにより、患者さんがストレスなく快適に利用できる商品に仕上がっています。

特徴と経済的負担の軽減

「愛帽」の最大の特徴は、手軽に自宅で冷凍できる保冷剤を使用する点です。通常、抗がん剤投与後は最低240分以上の頭皮冷却が求められる中、病院での長居はなかなか難しいものです。そのため、自宅で冷凍した保冷剤を準備することで、投与後も継続して冷却が可能になります。

価格は、抗がん剤投与時に約5万円台から利用でき、これは国外製の医療装置が30万円を超えるのと比較すると大幅に経済的負担を軽減しています。

利用者の感想

実際に「愛帽」を使用した方々の感想も非常に前向きです。Aさんという女性は、ウィッグなしで抗がん剤治療を終えることができたと語り、脱毛がほとんどなかったことを報告しています。さらに、Bさんは治療終了後も順調に発毛が進んでいることに驚きを隠せません。

また、Cさんは「毛が抜けなかった」とはっきり言い切り、女性にとって髪の毛の大切さを再認識させられたと感謝の気持ちを表現しました。Dさんは、海外で購入した製品に比べ、愛帽が優れた密着性を持っていることや装着の簡便さを称賛しました。