ヴイストンが全国の介護施設に「ひろちゃん」無償レンタルを開始
大阪を拠点とするヴイストン株式会社は、認知症高齢者の生活の質(QOL)の向上を目的としたヒーリングコミュニケーションデバイス「かまって『ひろちゃん』」の無償レンタルサービスを全国に展開することを発表しました。これまでこの取り組みは大阪府内の施設限定でしたが、大きな好評を得たため、全国の介護施設に拡大することが決定されました。
かまって「ひろちゃん」の革新性
「かまって『ひろちゃん』」は、赤ちゃんをあやすことによって利用者と介護者の双方に癒やしをもたらすことを目的としたデバイスです。本物の赤ちゃんさながらの声を発し、様々な感情を表現します。これにより、利用者は「だっこ」や「たかいたかい」といった実際の赤ちゃんとの接続感を得ることができ、遊び感覚で楽しむことができるとされています。
さらに、過去の研究からは、介護施設での長期的な利用が可能であることが分かっており、介護職員の心の健康状態改善や業務負担の軽減も報告されています。
特徴的なのは、デザインに「顔がない」という点です。これにより、利用者は自分の理想の赤ちゃん像を投影しやすく、文化や言語の壁を越えて幅広く利用できます。これは、言語を必要としないインターフェースの助けもあり、利用者が親しみを感じやすい作りになっています。
無償レンタルサービスの利用内容
無償レンタルは、各介護施設に対し、2台の「かまって『ひろちゃん』」と1枚の顔カバーを無償で提供されるものです。レンタル期間は6ヶ月間で、利用が終了した後には有償プランでの継続も可能です。月額200円の料金で年間契約が必要となり、利用者が希望しない場合は元払いでの返却が求められます。
対象施設には特別養護老人ホームや認知症グループホームなど、多くの介護の現場が含まれます。また、申し込みが多い場合は抽選になる可能性がないとは言えない点も、施設関係者にとっては留意すべきポイントです。
この取り組みを通じて、介護現場の負担軽減や高齢者のQOLの向上が期待されています。そして、このプロジェクトは公益財団法人大阪産業局ソフト産業プラザTEQSとの共同事業として実施されています。
問い合わせ先
具体的な申し込み方法や詳細については、ヴイストン株式会社の公式ウェブサイトを通じて提供されています。介護現場での新たな可能性を追求するこの試みは、介護職員や高齢者にとって大きな支えとなることでしょう。