林業と健康を守る「ASPEN」普及への旅
2025年10月7日、日南町役場において、株式会社橋本屋が「にちなん中国山地林業アカデミー」と「日南町森林組合」との間で、画期的な協定が結ばれました。この協定の名は、「ASPENの普及を通じた林業の労働環境の改善に関する連携協定」です。日本の林業における労働環境の改善を目指すこの取り組みは、今後、全国的なモデルケースとして注目されることになるでしょう。
協定の背景と目的
日南町は、山林に囲まれた中山間地に位置しており、地域の約9割が森林で占められています。町の主幹産業である林業を支えるためには、効率的な木材生産だけでなく、作業する人々の労働環境を改善し、健康を守ることが求められています。この協定では、ASPEN燃料の導入を通じて、林業従事者の健康リスクを軽減し、さらに労働環境の改善を図ることを目的としています。
協定の具体的な内容としては、にちなん中国山地林業アカデミーが、学生を通じてASPENの活用を広める一方、日南町森林組合が町内の林業従事者への普及啓発を担当します。株式会社橋本屋は、ASPENに関する技術的知見を提供し、普及活動を行います。この三者の協力により、林業現場の安全と持続可能な環境づくりに貢献することが期待されています。
ASPENについて
ASPENは、従来のガソリン燃料に比べ、排ガス中の有害物質を約94%も削減できるという特長を持つ2ストロークエンジン専用の混合燃料です。特に林業において、小型のチェンソーや刈払機を用いる作業者は有害成分を直接浴びる危険がありましたが、ASPENの導入によりこの問題が解決されると期待されています。有害物質の少ないこの燃料は、排ガスの臭いや目への刺激も軽減され、林業従事者の健康への配慮がなされています。
アカデミーの役割
にちなん中国山地林業アカデミーは、全国唯一の町立林業教育機関として、地元の人材育成だけでなく、全国の林業地で活躍する人材の輩出を目指しています。そこで、学生たちがASPENを実際に使い、健康面の課題に対して気付くきっかけを提供することが目指されています。
同アカデミーの学長である中村英明氏は、「学生たちが実習でASPEN2を使用することで、従来の林業作業では見逃しがちな健康面の重要性に気づく機会が生まれる」と述べ、この取り組みの意義を評価しています。
今後の展望
今回の協定をきっかけに、日南町では2024年からASPEN2の試用が始まり、健康のリスクを軽減する効果が期待されています。今回の取り組みは、教育と実習、普及活動を一体的に進めることにより、林業従事者の健康と安全を守りながら、持続可能な林業を全国に示すモデルを作ることを志向しています。
また、株式会社橋本屋は、創業120年以上の歴史を持つ特殊燃料の専門商社として、未来の林業を支える理念を持ち、ASPENを通じて地域の林業を発展させる使命を持ち続けています。
お問い合わせ
この取り組みやASPENに関する詳細については、株式会社橋本屋の公式ウェブサイトで情報を提供しています。自身の健康を守り、次世代の林業を支えるためのこの新たな試みに是非ご注目ください。