新型コロナウイルス不活性化能を持つ光漆喰の進化と今後の展望
最近、秋山住研が開発した「光漆喰」が新型コロナウイルス不活性化の効果を示したという興味深い研究結果が明らかになりました。本記事では、その研究内容と結果、さらに今後の展望について掘り下げていきます。
研究の概要
研究にはVeroE6-TMPRSS2という細胞を用いて増殖させた新型コロナウイルスが使用されました。実験には、秋山住研が提供した光漆喰(ローラー塗布とこて塗布の2種類)、そして比較材料として他社販売の漆喰が浸透した壁紙や珪藻土が用いられました。各建材にウイルス溶液を滴下し、その後、室温で一定時間放置した後にウイルス粒子数を測定するという手法が採用されました。
実験結果と考察
実験の結果、光漆喰は他の建材とは異なり、滴下から1分以内でpH値が12以上に急上昇しました。この急速なアルカリ化は、ウイルスに対して強い作用を示す結果となりました。特に、光漆喰の場合、ウイルスが10分には検出限界以下にまで低下し、優れた抗ウイルス効果が確認されました。
対照的に壁紙では、10分後に感染性ウイルス量がわずか2%に減少し、珪藻土では10%の感染が確認されたものの、光漆喰の効果が際立っていました。このことから、光漆喰はそのアルカリ性によってウイルスを構成するタンパク質を破壊し、不活性化する能力が高いとされています。
住宅用塗装材としての光漆喰
光漆喰は、秋山住研のオリジナル素材であり、抗ウイルス性だけでなく、調湿性能や蓄熱性、消臭効果も兼ね備えています。また、この材料は空気中の酸素と結びついて中性化する性質があり、お子様が触れても安全です。現在は自社のモデルハウスの壁面に採用されていますが、今後は住宅の標準仕様として広く利用される予定です。
今後の展望
秋山住研は本研究を基に、空気中の浮遊ウイルスに対する効果をさらに検証し、住環境の安全性向上を目指しています。加えて、DIYやリフォームなどの用途にも対応するため、光漆喰の素材提供の研究や開発を進めていく計画です。日本では住宅への漆喰使用率が約5%とされているため、この数値を上げ、光漆喰の価値を広げることが重要です。
企業情報
秋山住研は1980年に設立され、兵庫県三木市に本社を置く企業です。代表取締役の秋山高利が率いるこの企業は、自然素材にこだわった製品作りを行っており、これからの住環境に貢献することを目指しています。詳しい情報は、
秋山住研のウェブサイトをご確認ください。