『自治体DXガイド Vol.4』発行のお知らせ
一般社団法人自治体DX推進協議会(GDX)は、2024年9月に『自治体DXガイド Vol.4』を発行しました。本号では、特集として「もうひとつの『ふるさと納税』」を取り上げています。単なる税制優遇や物産品獲得だけではなく、地域創生や個人の地域貢献の新しい形について注目し、さまざまな自治体や企業の取り組みを紹介しています。
巻頭特集:富士吉田市のふるさと納税新戦略
巻頭では、山梨県富士吉田市に焦点を当て、同市のふるさと納税新戦略について詳しく解説しています。この取り組みは寄付者との長期的な関係の構築を目指しており、多くの寄付者を集めるために積極的なコミュニケーションを図っています。年間の寄付者は10万人を超え、寄付額は30億円を突破するなど、その実績は関係人口の拡大にもつながっています。富士吉田市ふるさと創生室の萩原美奈枝部長に、この取り組みの意義や未来への展望について伺いました。
新たな市場の開拓とデジタル戦略
また、デジタル時代において自治体が直面する課題に対する解決策も提案されています。特に、民間企業のノウハウを活かした新たなサービスの導入が注目です。株式会社イングリウッドでは、Amazonのふるさと納税市場参入に合わせて、地方自治体に向けた支援サービスを構築しています。
LINEを活用した寄付者とのつながり
ふるさと納税を通じて寄付者とのつながりを深める取り組みとして、LINEを活用した新戦略も紹介されています。株式会社ソニックムーブの「COMSBI」は、このプラットフォームを通じて寄付者とのリレーションシップを強化し、リピーターの獲得を狙っています。
返礼品の品質革命
さらに、福井県を本拠地に持つ株式会社大津屋が提供する「Custos」は、返礼品の品質管理を通じて地方自治体のブランド価値を保つ取り組みも重要です。このプラットフォームの導入により、返礼品の安全性が向上し、自治体が提供する商品の価値がさらに高まることが期待されています。
NFTとWeb3の可能性
最後に、ブロックチェーン技術を用いたNFTやWeb3を活用した新たな事業モデルも取り上げられています。株式会社ICHIZEN HOLDINGSの水野倫太郎氏は、地域に貢献する人々を評価する仕組みを作っており、これにより持続可能な地域社会の構築を目指しています。
経済循環の促進
特集の後半では、キャッシュレスと地域通貨の活用についても触れています。岐阜県の飛騨市で運用されている電子地域通貨「さるぼぼコイン」は、地域内での経済循環を助け、関係人口の拡大にも寄与しています。さらに、GMOデジタルラボのモバイル商品券プラットフォームは、自治体の業務効率を高めるために進化し、消費者に便利さを提供していく所存です。
『自治体DXガイド Vol.4』は、全国の自治体および地域の関係者がデジタル技術を活用し、持続可能な発展を促進するための情報源となることを目指しています。多くの方にご覧いただき、地域創生に取り組んでいただければ幸いです。