新品種「春凪」開発
2025-03-13 15:30:50

花粉症対策に貢献する新品種「春凪」開発の舞台裏とは

花粉症対策の新たな切り札、「春凪」の誕生



静岡大学農学部の花岡創准教授を中心とする研究グループは、スギの新しい品種「春凪(はるな)」を開発しました。この品種は、花粉を出さない雄性不稔スギとして知られ、花粉症に悩まされる多くの人々の助けになると期待されています。

研究の背景と目的


スギ花粉症は、日本において非常に深刻な問題の一つで、毎年多くの人々が辛い症状に悩まされています。そこで、花粉を出さないスギ品種の開発が急がれていました。プロジェクトは、静岡県農林技術研究所や神奈川県自然環境保全センター、さらには国立研究開発法人森林研究・整備機構森林総合研究所と協力して進められました。

「春凪」の特徴と選抜の過程


今回開発された「春凪」は、雄性不稔でありながらも成長や材質、通直性、さし木発根性に優れた特性を持つことが特徴です。これにより、林業においても利用可能な資源として期待されています。選抜基準として、神奈川県の田原1号と静岡県の大井7号から育成された家系が用いられ、この過程は2010年から始まりました。

静岡大学と森林研究機関との共同研究にて、2023年から選抜作業が再開され、無花粉の個体を特定し、ついに優良品種として認められる運びとなりました。2025年1月には評価委員会によって品種評価基準を満たしていると認定されました。

「春凪」の名称について


品種名は静岡大学内で公募され、106件の応募の中から選ばれました。選ばれたのは、静岡大学理学部の2年生スターの星野優樹斗さんによる提案で、名称は「春凪」と名付けられました。この名前には、「春:花粉症に悩まされた期間を終え、凪:穏やかで快適な生活を送れるようになってほしい」という願いが込められています。

今後の展望


「春凪」は今後、静岡県内での林業への活用が進められるほか、新たな無花粉スギ品種の育成素材としても活用される予定です。これにより、スギ花粉発生源対策に寄与し、より多くの人々の生活の質を向上させることが期待されています。

研究者のコメント


花岡准教授は、「長年の努力が実を結び、こうして実用的な品種が誕生したことを嬉しく思います。この研究が、林木育種の重要性を広める一助になれば」と述べています。

研究の助成について


この研究は、静岡大学プロジェクト研究所と静岡県農林技術研究所との共同研究契約に基づいて行われました。関係者の協力によって、画期的な品種「春凪」が誕生したのです。

用語解説


  • - 雄性不稔: 通常の花粉を形成できない現象を指します。これにより、花粉症の原因となる花粉の発生を防ぎます。


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会社情報

会社名
国立大学法人 静岡大学
住所
静岡県静岡市駿河区大谷836
電話番号
054-237-1111

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