古野電気、世界最大のGNSSテストイベントに参加
古野電気株式会社は、2026年9月14日から18日までノルウェーのアンドーヤで開催される「ジャマーテスト 2026」に、3年連続で参加することを発表しました。このイベントは、世界最大規模のGNSS(全球測位衛星システム)テストイベントとして知られており、航空・海運・通信など、社会基盤を支える重要なインフラの安全性を確保することを目的としています。
参加する古野電気は、2026年11月に発売予定の新型デュアルバンドGNSS基準周波数発生器「GF-100シリーズ」を使用し、実環境における耐性評価を行います。この製品は、ジャミングやスプーフィング(信号の妨害や偽装)の脅威に対抗するために、多層的な防御機能を備えています。特に、異常な衛星信号の自動検知や排除機能について評価が行われ、それによって関連する重要インフラのさらなる信頼性向上に繋がるとされています。
ジャマーテストについての詳細
「ジャマーテスト」は、ノルウェーの道路管理局や通信当局、さらには国防関連機関など、様々な機関の協力を得て実施されます。これは実際の運用環境に近い条件下でGNSS受信機やその関連システムの性能を検証し、GNSSの脆弱性に対する耐性を評価するための重要なイベントです。
近年、バルト海や黒海、中東地域、北極圏などではGNSSへの妨害が多発しており、これが交通管制やモバイル通信などの重要インフラにとって大きな問題となっています。古野電気は、これまでも実験室環境においてジャミングやスプーフィングを模擬した試験を行ってきましたが、今年のテストを通じて実践的な対策技術の開発を進めています。
耐性評価の重要性
昨年度の「ジャマーテスト 2025」では、改良されたGNSS基準周波数発生器「型式:GT-100」を用いて、さまざまな妨害環境下での耐性アルゴリズムの有効性が確認されました。今年はさらにその成果を反映し、新たな「GF-100シリーズ」での試験を実施します。このシリーズは、L1およびL5のデュアルバンド受信が可能で、多層的な防御機能を統合しているため、より一層の耐性向上が期待されています。
具体的には、異常信号を検知することができれば、その信号の利用を自動で停止し、内蔵発振器による自走運転に切り替えることができます。これにより、安定した時刻・周波数の出力維持が実現されるのです。
今後の信頼性向上に向けた取り組み
このテストでは、妨害発生時の挙動や、その後の回復性能も評価されます。実際の運用に近い条件下で得られたデータは製品開発に活かされ、通信、金融、電力などの重要インフラにおける信頼性の向上に寄与すると期待されています。
また、古野電気は、内閣府から委託を受けて準天頂衛星システム「みちびき」の信号についても、ジャミングやスプーフィング環境下での検証を行います。屋外での多様な妨害シナリオのもと、「みちびき」の信号の受信状況やその影響を確認し、信頼性向上に必要なデータを収集することが目指されています。
このように、古野電気は世界的なテストイベントでの参加を通じて、自社の技術を試し、重要インフラへの影響を考慮した製品を開発していく姿勢を示しています。