西淀川区の新たな挑戦
大阪市の北西部に位置する西淀川区では、地域住民の幸福と健康を高めるためのまちづくりに挑戦しています。特に、社会医療法人愛仁会の千船病院と公立大学法人横浜市立大学の先端医科学研究センターのコミュニケーション・デザイン・センターが共同で進める「YCU-CDCプロジェクト」は、その取り組みの中心に位置しています。このプロジェクトでは、医療に関わる知識だけでなく、人々の感情や体験を大切にした新たなアプローチを提案しています。
ストリート・メディカルの概念
このプロジェクトでは、「ストリート・メディカル」という新しい概念を採用しています。これは、医療や健康という分野とは一見無関係に見えるさまざまな要素(ゲーム、日用品、交通、空間デザインなど)を利用し、地域の人々が自然に健康的な行動を促されるような方法を模索するものです。これにより、医療が単なる疾病治療だけでなく、より豊かな「人生」を追求することを目指しています。
まちなかアクティビティと実証実験
具体的な取り組みの一つとして、地域活性化プロジェクト「西淀川イネーブリングシティWalk!」が挙げられます。これは、YCU-CDCと大成建設が共同で開発したWEBアプリを用いて幸福と健康をカテゴライズし、区民がそれらの価値を投稿する参加型のイベントです。
イベントの概要
- - 第1回イベント: 2022年9月17日 大和田にて開催
- - 第2回イベント: 2022年9月25日 千船病院の多目的広場にて開催
このイベントでは、参加者が感じる幸福や健康に関連する場面を切り取り、それらをアプリを通じて可視化することで、地域全体での意識を高めることが目的です。参加費は無料で、だれでも参加できるようになっています。
福駅エリアの活性化イベント
同じく、地域医療連携推進法人「淀川ヘルスケアネット」が主導する「福ハッピーフェスタ」も西淀川区の活性化に寄与しています。このイベントでは、キッチンカー出店やワークショップのほか、からだポータル株式会社が提供する健康イベントも行われます。
2025年大阪・関西万博に向けた活動
さらに、西淀川区は「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマにした2025年の大阪・関西万博に向けても独自の取り組みを進めています。この期間の活動を通じて、地域での幸福と健康の向上に向けた情報発信を行うとともに、ストリート・メディカルの概念を取り入れた新しいまちづくりを目指します。
各関連機関の役割
1.
千船病院: 地域に密着した医療を提供し、最新の医療技術を用いて地域支援。
2.
YCU-CDC: ヘルスケア分野におけるクリエイティブ研究を実施し、人々の健康促進に寄与。
3.
大成建設: 幸せな生活環境を創造するための基盤を提供。
4.
からだポータル: 日常生活の中で無理なく健康管理ができる環境を整え、地域の健康寿命の延伸を目指す。
まとめ
西淀川区は、「幸福」と「健康」を高めるまちづくりに取り組みつつ、地域内のさまざまな活動を通じて住民同士のつながりを深めていくことを目指しています。今後の西淀川区の発展と成功に目が離せません。