ハサミムシの花粉摂取
2025-07-18 10:22:45

礼文島のハサミムシ研究が明らかにした花粉摂取の重要性

礼文島のハサミムシ研究が明らかにした花粉摂取の重要性



北海道の礼文島で、キバネハサミムシとコブハサミムシの2種のハサミムシに関する興味深い研究が行われました。本研究では、これらの訪花昆虫における採餌源植物の選好性に焦点を当て、特に花粉摂取の目的や利用される植物の種類に関して詳細に調査されました。

ハサミムシの訪花行動と選好植物



今回の調査結果によれば、キバネハサミムシとコブハサミムシは主に花粉を摂取するために、計15科36種の花を訪れることが確認されました。特に、キク科とセリ科に属する植物が頻繁に選ばれ、これらの花は訪花者にとって花粉が容易に露出しているため、摂取しやすいことが理由として挙げられます。この地域では、夏から秋の間にキク科とセリ科の植物が大量に開花するため、これらは非常に重要な花源となっているのです。

成虫と若虫の違い



興味深いのは、ハサミムシの成虫と若虫で選ぶ植物に違いが見られる点です。研究によれば、キバネハサミムシの成虫は主にキク科を食べる一方で、若虫はセリ科の花を強く好む傾向があることが示されています。今回の研究では、この現象について、キバネハサミムシの若虫が先天的にセリ科の花を好む可能性が示唆されています。この点は、昆虫の成長段階や生存戦略における神秘的な一面を垣間見るものであり、さらなる研究の必要性が強調されています。

今後の研究の方向性



今後の課題として、ハサミムシが花粉を摂取することがどのように彼らの生存や繁殖に影響を与えるのかを解明することがあります。特に、環境や他の種との相互作用に関する調査が求められます。また、キバネハサミムシの成虫がなぜセリ科からキク科へと食物ニッチを移行するのか、今後の研究で答えを出すことが期待されています。これにより、ハサミムシの生態についての理解が深まることでしょう。

まとめ



杉浦直人准教授と竹下文雄学芸員による本研究は、ハサミムシという訪花昆虫が持つ意外な生態を発見する機会を提供しました。この研究は、2023年7月2日に「Entomological Science」で発表され、多くの研究者にとって注目のテーマとなることでしょう。今後もハサミムシの訪花行動に関する研究が進むことで、さらなる知見が得られ、昆虫の生態への理解が一層深まることが期待されます。


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