「BDコレクション」登場
2010-11-01 15:01:57
フランス発!「BDコレクション」マンガの新たな魅力を発見する旅
フランス発の新たなコミック「BDコレクション」が登場
フランスの漫画、またはバンドデシネ(BD)が新しいブームの兆しを見せています。株式会社国書刊行会は、11月から「BDコレクション」の刊行を開始します。このコレクションは、フランスとベルギーのコミックを中心に展開され、全く新しい視点で国際的な漫画文化に触れることを目的としています。
フランスのBDの魅力とは
「BDコレクション」の「BD」は、bande dessinéeの略称であり、フランスやベルギーで制作されるコミックを指します。原義はデッサンが描かれた帯を意味し、漫画が単なる娯楽にとどまらず、芸術性の高い作品として位置づけられています。日本の「マンガ」とは異なり、BDには文学やアートの要素が色濃く反映されているのが特徴です。
第1回配本『イビクス--ネヴローゾフの数奇な運命』
最初の配本となるのは、パスカル・ラバテ著の『イビクス--ネヴローゾフの数奇な運命』です。この作品は混乱の時代であるロシア革命を背景に、主人公の生き様を夢幻的な筆致で描出しています。11月15日に発売予定で、背景にある歴史的な文脈や登場人物たちの運命がどのように交錯していくのか、見どころが満載です。
続く配本も見逃せない
続く配本では、12月にクリストフ・シャブテ著の『ひとりぼっち』、2011年1月にはエマニュエル・ギベール著の『アランの戦争--アラン・イングラム・コープの回想録』が予定されています。これらの作品も、視覚的に豊かな表現と深いストーリー性を兼ね備えており、BDの新たな魅力を伝えることでしょう。
ラバテ氏の来日と講演会
刊行を記念して、著者パスカル・ラバテ氏が来日し、講演会を東京の日仏学院エスパス・イマージュで開催します。「小さな何でもないことの記録」と題されたこの講演は、11月22日の19時から21時の間に行われます。入場は無料ですが、定員は108名と限られていますので、参加を希望される方は早めの申し込みをおすすめします。
前日にはタワーレコード渋谷店でラバテ氏と小野耕世氏によるトークイベントやサイン会も行われますので、ファンにはたまらない機会です。
日本でのBD熱の高まり
日本では、フランスのコミックといえばタンタンが有名ですが、本格的なBD文学やBD芸術についてはまだまだ知られていないことも多いです。しかし、最近では全国の書店や出版社でもBDへの関心が高まっており、小学館集英社プロダクションからも11月に『氷河期-ルーブル美術館BDプロジェクト』が刊行予定です。これを機に、より多くの人がフランスのBDの魅力に触れることが期待されています。
漫画の進化と多様性
日本の「マンガ」はその面白さと多様性で世界に認知されていますが、一方で同質化が進み、新たな発見が難しくなっているのも事実です。そんな中、フランスのBDには、独自の視点や表現方法があり、これからの表現作品として非常に魅力的です。文学やアート、そしてBD愛好者たちが一堂に会し、新たな文化が育まれることを期待したいと思います。
国書刊行会では、今後も海外の優れた文学やアートを紹介し続け、多くの読者に新たな視点を提供していく予定です。この機会に、ぜひ「BDコレクション」に触れてみてはいかがでしょうか。
会社情報
- 会社名
-
株式会社 国書刊行会
- 住所
- 東京都板橋区志村1-13-15
- 電話番号
-