ギャルリーためながでは、2025年3月22日(土)から4月20日(日)まで、現代スペインリアリズムを代表するアーティスト、ロレンツォ・フェルナンデスの個展が開催されます。本展は東京では4年ぶりとなるもので、特にギリシャ神話からインスパイアを受けた新作を迎え、約40点の作品が展示される予定です。
ロレンツォ・フェルナンデスは、14歳でスペインの伝統的なバロック絵画の技法を学び、その後、自らのリアリズムを確立しました。その作品は、一見すると写真のように精緻ですが、独自の視点やぼかしの技術を用い、まるで現実を超えた空間を作り出しています。モチーフは日常的なものでありながら、それぞれに象徴的な意味が備わっており、観覧者はその深遠なメッセージに誘われます。
特に注目したいのが、神話的要素を取り入れた「孤独への恐れ/ミノタウロス」などの作品です。この作品では、ミノタウロスを象徴する牛とゴリラのおもちゃが用いられ、背後には美の女神ヴィーナスの姿が描かれています。貝殻は彼の迷宮を囲む海、毛糸玉は勇者テセウスが通るべき道しるべとなり、観覧者に神話の深い意味を問いかけます。色彩も青や紫、茶色が使用され、作品の中に威厳や孤独からの希望が感じられるように工夫されています。
フェルナンデスは、過去に受けた教育や経験から現代的な要素を取り入れることで、独自の画風を生み出しました。彼の作品は、スペインの各地や日本の美術館に収蔵され、多くの国で評価されています。ギャルリーためながでの初個展は2006年だったことから、長い間待たれたファンにとって特別な意味を持つ展示となります。
さらに、展覧会開催初日の3月22日(土)には、作家自身が来日し、レセプションが行われます。この機会に直にフェルナンデスと交流できる貴重な時間も設けられ、彼の芸術に対する思いを直接聞くことができるでしょう。
展覧会の詳細は以下の通りです。
【展覧会概要】
- - 会期: 2025年3月22日(土)~ 4月20日(日)
- - 作家来日レセプション: 3月22日(土)16:00~18:00
- - 会場: ギャルリーためなが
- - 住所: 東京都中央区銀座7-5-4
- - 開館時間: 月~土 11:00~19:00、日・祝 11:00~17:00
- - 公式サイト: www.tamenaga.com
日常の喧騒を忘れさせるような超リアリスティックな作品を通じて、ロレンツォ・フェルナンデスの独特な視点を楽しんでください。